政策・経営研究43号最終
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日本の財政の現状と中長期的な課題17策が実施されたこともあって、急速に増加したものの、2000年代に入ってからは減少傾向で推移してきた。他の経費については、地方財政関係費をはじめ、リーマン・ショック直後には増加したものもあるが、その後は緩やかな減少傾向にある。このように、国の一般会計の基礎的財政収支対象経費の中では、社会保障関係費の増加が顕著であることが分かる。なお、OECD加盟国について、高齢化と社会保障支出(高齢者向け(年金等)と医療支出)のGDP比の関係をみると、高齢化率が高くなるにともなって、社会保障支出のGDP比も高くなる傾向がある(図表7)。日本はOECD加盟国の中で高齢化が最も進展しているにもかかわらず、社会保障支出のGDP比は最も高い水準にはなく、日本の社会保障給付は他のOECD加盟国と比較すると必ずしも手厚いわけではないと考えられる。(2)補正予算を通じた歳出の拡大日本では、毎年のように編成される補正予算が、歳出増加を通じて財政収支の悪化要因となっている可能性が図表5 社会保障給付費の財源図表6 国の一般会計の基礎的財政収支対象経費注:保険料等は被保険者と事業主の拠出金の合計であり、公費負担は、国庫負担と他の公費の合計出所:国立社会保障・人口問題研究所「社会保障費用統計」をもとに筆者作成出所:財務省資料をもとに筆者作成

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