政策・経営研究43号最終
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フィンテックの現状と展望33ンチャーがIT技術を駆使し、時には銀行を凌駕しながらその領域を奪い、時には銀行と協働し出資を仰ぎながら、新しい金融サービスを開発し成長するイメージでとらえられるようである。また、銀行業界でもフィンテックを脅威ととらえ、銀行の既存業務が浸食されるのではないか、ととらえる向きもある。2014年5月のEuromoney(サウジアラビア)における、JPモルガン・チェースCEOダイモン氏の「今後我々のライバルはグーグルやフェイスブックになるであろう。」との旨の発言は、銀行界の危機感を表す言葉としてよく引用される。しかし、現在のフィンテックの取扱いは、やや騒ぎ過ぎの感はあり、もっと冷静にフィンテックをとらえる必要がある。フィンテックを考えるうえでの重要ポイントは、以下の通りである。(1)従来金融サービスの延長線上のものが多いフィンテックフィンテックの金融サービスは、仮想通貨を除けば、今まで見たことがないようなものはあまりなく、既存の銀行グループやクレジットカード会社がこれまでも提供してきた類のものが多い。もちろんIT技術を駆使していることは事実だが、既存の銀行ができないものはあまりない。オンラインバンキングやオンライン証券は、フィンテックという言葉が生まれる前から存在し、既存の銀行やオンライン専業銀行、既存証券会社やオンライン証券がサービスを提供している。このため、現実的には、IT図表8 「ブロックチェーン官民連携イニシアティブ」の概要図表9 ブロックチェーン連携プラットフォーム(仮称)のイメージ出所:全銀協「ブロックチェーン技術の活用可能性と課題に関する検討会報告書」出所:全銀協

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