政策・経営研究43号最終
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フィンテックの現状と展望35ストを今後かけていかなければならない。こうした規制対応コストは、IT技術で軽減できる部分もあるが、基本的に膨大なコストがかかることに変わりはない。現時点で考えれば、こうしたコストを負担できるのは銀行しかないのが実態である。(7)フィンテック導入により改善の余地がある海外送金海外送金については手数料が高いとの不満が強い。実際、海外送金をする場合、①海外送金手数料(3,000~5,500円程度)や②取扱手数料(送金額×1/20(最低2,500円))に加え、送金先によっては③中継銀行手数料や④受取銀行手数料がかかる。また届くのにも時間がかかり1週間かかるケースもある。こうした分野については、フィンテック企業が進出してくる可能性は高い。ただし、既存銀行側も、国際ローバリュー送金という名の海外送金サービス(日数はかかるが、従来よりも手数料は安い))を、2018年以降導入することを目指している。こうしたサービスが本格化した場合、フィンテック企業が進出する余地は小さくなるかもしれない。(8)日本におけるフィンテック発展の最大の障害は現金日本は世界有数の現金大国であり、1万円という海外から見ても高額である紙幣が多額流通している国はない。日本で高額紙幣が流通しやすい理由として、紙幣が図表10 海外送金の仕組み図表11 現金流通残高(対GDP比)国際比較(2015年)出所:各種資料をもとに筆者作成出所:BIS“Statistics on payment, clearing and settlement systems in the CPMI countries – Figures for 2015”

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