政策・経営研究43号最終
46/75

日本経済の中期展望44季刊 政策・経営研究 2017  vol.3参照)。上述したように、日本政府は、高度外国人材を積極的に受け入れつつ、高度外国人材以外の外国人の受け入れには慎重な姿勢を続けてきた。だが、前節の通り、実際には就労を主目的としていない外国人が相当の割合で就労し、その中には中技能の業務に従事する外国人も含まれる。たとえば、シンガポールでは、外国人労働者の受け入れカテゴリーとして、高度(E Pass)/中度(S Pass)/単純(WP)と分けて、それぞれに在留資格を付与して受け入れている。日本でも、労働力確保の観点から、国際貢献目的や学ぶ目的で入国・滞在を認めている外国人に依存せず、外国人労働者として正面から受け入れるための要件を整備し、それらをクリアした人には在留資格を付与する制度を構築することについて、検討を始めるべきだと考える。先行的に、現在愛知県では国家戦略特区の枠組みで「外国人雇用特区」を創設し、人材ニーズの高い産業かつ日本人が採用できない分野における「中技能の外国人」に対して、「産業人材」という在留資格を付与し、正面から当該外国人を受け入れる提案をしている。弊社では、愛知県の提案を受け、愛知県内の中小製造業の企業を対象に「産業人材」(ここでは生産工程の技能工レベルを想定)の図表9 人材スキルと対応する外国人労働者イメージ図表10 「中程度」の技能を有する外国人受け入れに対する企業評価出所:佐藤(2017)をもとに筆者作成注:対象企業:愛知県内企業1,000社程度、外国人雇用が多い業種(食料品製造業、プラスチック製品製造業、金属製品製造業、生産用機械器具製造業、輸送用機械器具製造業)、従業員300名以下  回収数:135社、調査年月:2016年9月出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(2017)「製造業の生産工程における人材不足と愛知県『外国人雇用特区』検討に関するアンケート調査」(上記設問は.愛知県が提案する「外国人雇用特区」制度に対する評価についての回答結果)

元のページ 

page 46

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です