政策・経営研究43号最終
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シンクタンク・レポート50季刊 政策・経営研究 2017  vol.3を「健康経営銘柄」と選定している(2017年2月に3回目の選定)。また経済産業省は優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等を顕彰する「健康経営優良法人制度」を2017年よりスタートし、大規模法人部門および中小規模法人部門で認定している。大規模法人部門はホワイト500と呼ばれ、ブラック企業ならぬ、ホワイト企業を2020年までに500社以上認定する意向である。第1回目(2017年2月)に大企業法人部門が235法人、中小企業法人部門が95法人認定された。他にも東京商工会議所が主に中小企業の健康経営の取り組みを支援する「健康経営アドバイザー制度」を開始する等、大企業から中小企業まで、健康経営をサポートする制度が生まれている。さらに健康経営をサポートする動きは金融機関にも広がっている。取り組み時期が早い金融機関では、日本政策投資銀行が健康経営に取り組む企業を評点化し融資条件に反映する評価認証型融資「DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付」を2012年から始めている。また青森銀行や広島銀行、常陽銀行等の地方銀行も健康経営に取り組む企業に対して優遇金利を適用している。健康経営は社会環境変化の中で企業が取り組まざるを得ない経営テーマであり、健康経営の浸透・実現をサポートする制度や仕組みが次々と生まれている。健康経営は健康投資によってなんらかの経営成果を得る「経営」であるが、健康経営に取り組む企業は実際になんらかの経営成果を得ているのだろうか。健康経営の定義はさまざまあるが、NPO法人健康経営研究会、経済産業省、ジョンソン&ジョンソンの3者が健康経営の期待成果に言及している。いずれも複数の期待成果を上げており、言い回しは異なるものの、共通しているのは生産性向上、医療コスト削減、モチベーション向上、企業価値向上の4つである(図表2)。企業の健康経営の取り組みと成果を調査したものとして、経済産業省が2015年から実施している「健康経営銘柄」がある。これは、前述のように東証上場企業の中から健康経営の取り組みが特に優れた企業を選定し、魅力ある投資対象として紹介し、大企業の健康経営の取り組みを促進することを目的としている。第2回健康経営銘柄2016(25銘柄)および第3回健康経営銘柄2017(24銘柄)で選定された各企業の主な取り組み等は「選定企業紹介レポート」で紹介されている。本紹介レポートの内容から各社の健康経営の成果を抽出し、前述の健康経営の4つの期待成果を参考に、その他を含めた5項目(①生産性向上、②医療コスト削減、③モチベーション向上、④企業価値向上、⑤その他成果)に分類した2。本紹介図表2 健康経営の期待成果出所:NPO法人健康経営研究会、経済産業省資料をもとに筆者作成2健康経営の期待成果

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