政策・経営研究43号最終
6/75

日本経済の中期展望4季刊 政策・経営研究 2017  vol.3万人と、15年間で909万人、比率にして13%、減少する。その裏返しであるが、65歳以上の高齢者は同じ15年間で293万人増加し、2030年には65歳以上が人口全体の32%を占める、“超高齢化社会”が到来する。こうしたなか、経済活動の担い手となる労働力人口(15歳以上で働く意思のある人の数)の推移をみると、生産年齢人口の減少を、女性と高齢者の労働参加拡大によって打ち返し、ここ数年はなんとか増加トレンドを続けている。女性の労働参画は、近年拡大傾向が続いており、政府・自治体による待機児童解消努力や民間企業による子育て支援の取り組みも進められつつある。また高齢者についても「高年齢者雇用安定法」の改正で定年引き上げや継続雇用制度が導入された結果、労働参加率が上昇している。しかし、こうした取り組みを通じて労働力人口の増加基調を維持できるのも2018年ごろまでで、その後は生産年齢人口の減少を打ち返しきれず、労働力人口が減少に転ずることは避けられない。2015年に約6,600万人であった労働力人口は、2030年には約6,300万人と、300万人減少する見込みである。加えて、女性や高齢者はフルタイムワーカーではないケースも多く、この点を勘案すれば、労働投入の総量(時間)は労働力人口(人数)の減少を上回るペースで減少する可能性がある。したがって、労働参加率を押し上げて人数をふやす努力とあわせて、多様な働き方を受容する等、意欲のある人がより多くの時間働けるようにする取り組みも必要となろう。②労働力の減少は潜在成長率を押し下げ ~2020年代は0.6%に労働力の減少は、当然ながら、日本経済の“実力”ともいうべき潜在成長力に大きなインパクトを与える。潜在成長力は労働力、資本装備、全要素生産性の3つの要素のトレンドを踏まえて算定されるわけであるが、労働力の減少を資本と全要素生産性で補うことができるのであろうか。当社の見通しでは、わが国の潜在成長率は2010年代には前半・後半とも0.8%であったものが、2020年代では前半・後半とも、10年代の水準から0.2ポイント低下して、0.6%になる見込みである(なお、実際の成長率見通しは2020年代の前半が0.7%、後半0.5%であるので、ほぼ潜在成長率に見合った経済成長を想定していることになる)。潜在成長力を構成する3つの要素それぞれについてみると、まず労働力(労働投入量)は、労働力人口の減少ト図表4 労働力人口の推移(含む予測)注:予測は「日本の将来人口推計」、「労働力需給の推計」をもとに、増減のシナリオを加味したうえで当社調査部にて調整した値出所:総務省「労働力調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来人口推計」(2012年1月推計)   労働政策研究・研修機構「労働力需給の推計」(2015年版)

元のページ 

page 6

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です