政策・経営研究46号最終
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農林水産分野の自然資本の取組30季刊 政策・経営研究 2018  vol.2くなって何が生き残っているのかを知らない人が多いからです。そういう発見のおもしろさを私たちも知りたいのであちこち出かけています。それが私たちの活動のベースにあります。そうやって調査したことを展示活動や観察会に活かしたり、雑誌「ぎょぶる」という形にしてまとめたりしています。「ぎょぶる」は、私たちが全国各地で調査したこと、調査対象としたことを地域特集として紹介しています。今日はその話を中心に事例紹介をしたいと思います。調査する中で「こんな生き物がいた」とわくわくどきどきしていると、地元の人に出会います。たとえば川をさらっていると「何を採っているの?」とよく話しかけられます。たまに手伝ってやろういう人もいます。話していると中にはすごくおもしろがって聞いてくれる人もいて、その人がさらに違う人を紹介してくれてまた別の人に出会って、どんどん地元の人とのつながりが生まれます。「そんな生き物がうちの地元にいるの?」と驚いてくれて広がりが生まれるのです。この場所を特集して雑誌にしたいと言うと、そのつながりが生まれた人たちも一緒に雑誌づくりに関わります。雑誌に登場したり地域のことを書いてくれたりするのです。そういうことを通じて、この場所にはこんな生き物がいるんだという生物多様性への関心も深まっていくのですが、今日はその話を「ぎょぶる」5号の種子島特集を基に話していきたいと思います。まず、私たちは種子島のことをはじめは何も知らないので出かけて調査します。これは砂浜でハンミョウという虫を探していたときです。水辺の生き物が好きな私たちは湿原があればとりあえず入って網を使って探します。するといろんな生き物の発見があります。私の住んでいる福岡県ではもうほとんど見られないような生き物がたくさんいることに本当に驚きます。「種子島すごい」と思っているところに、たまたま地元の人に出会いました。いつも「ギョブカー」に乗って活動しているのですが、調査後に車に乗ってうろうろしていたら「魚部って何だ」と地元の人に見つかったのです。そのときは気づかず通り過ぎたのですが、たまたま種子島の「赤米館」という施設に寄ったら、さっきの地元の方の奥さんがお勤めされていたのです。「私たちが、種子島を調査するとこんな水生昆虫がたくさんいたんです」と話すとおもしろがって聞いてくれます。そして仲良くなってご自分の話も聞かせてくれて、さらに生き物好きの関係からいろんな方を紹介してくれました。たとえば地元のミュージアムに勤めている学芸員(考古学者)の石堂さんや生き物好きの岩澤さん親子を呼んでくれて生き物の話をしていたら、石堂さんが「そんなにうちの地元の自然に興味があるなら、日本で3ヵ所でしか残っていないカモの猟を見るか」と誘ってくださったのです。それはぜひ見たいということで見学させていただきました。夕方薄暗くなるとカモが一気に飛び立つのを木の上で待ち伏せして、大きな十字架の網を使って獲るというすごい迫力のある猟なんですが、私たちが訪れたことによって急遽カモ猟の観察会が行われることになったのです。地元の方も一緒に出所:登壇者講演資料出所:登壇者講演資料

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