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Matsumoto YoshimasaUeki Ryo都市情報・都市解析地域交通政策 都市シミュレーション経済効果分析社会資本政策そこで近年においては、スマートプランニングとしての回遊行動シミュレーションによる推計が生み出されています。この手法では、24時間365日のどのタイミングでもデータが取得でき、また位置情報データであることから粒度の小さいデータとなっています。さらに、従来の推計手法との大きな違いとして、回遊行動シミュレーションは非集計モデルであるため、個人単位の行動を推測し、人々の回遊行動を表現することができます。そのため、学生時代は土木計画の基礎を学び、人々の社会生活をより良くするために何ができるかを探求してきました。昨今、人口減少に加えて社会資本が急速に老朽化していることから、効率的に整備していくことが求められます。そのためには、客観的な数値指標をもとに事業の妥当性や優先度を評価し、関係主体との合意形成を進める必要があります。今後は、地域を支える視 点課題に挙げられた短中期的なニーズやミクロ・メゾな施策ニーズにより適したモデルと考えられます。■回遊行動シミュレーションの活用現在、モデル構築の困難さやGPSデータが高コストである等の側面から、回遊行動シミュレーションを実施した事例は乏しいです。しかしこれからの施策ニーズを満たすためには、回遊行動分析は必要不可欠であるため、徐々に自治体に浸透していくと想定されます。そのためには、誰でも使いやすいモデルの改良だけでなく、回遊行動分析の有用性の周知のための取組も必要になると考えます。社会資本の課題解決を図り、地域価値の向上に貢献できるよう日々精進して参ります。10研究員松本 義正研究員植木 瞭データ活用回遊行動シミュレーションの必要性■四段階推定法における課題点 従来の都市交通分野や都市計画分野における施策検討をする際、パーソントリップ調査を元に四段階推定法を用いて交通需要推測がされてきました。しかし、不確実性の高くなった現在においては、マクロトレンドだけでは将来を予測することが難しくなっています。また交通分野や都市計画分野の施策ニーズも短中期的なニーズやミクロ・メゾな施策ニーズへと変化してきております。それ故に、従来の推計手法では時点の頻度やゾーンの粒度では分析が難しいことが挙げられます。■回遊行動シミュレーションによる推計2022年度入社(新人)社会資本の利活用に向けて

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