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Komori KiyoshiHirakawa Syogo環境・エネルギー政策地域防災高年齢者・外国人材(観光)の活躍知的財産戦略産業政策教育カーボンニュートラルの実現に向けて、行政、企業、地域(住民等)において、様々な取組が進められています。「再生可能エネルギーの拡大」、「太陽光発電」、「洋上風力発電」、「バイオマス発電」、「地熱発電」、「水素エネルギー利活用」、「ゼロエミッションの推進」、「省エネルギーの推進」、「カーボンリサイクルの推進」など、各者が各者の立場で、もしくは連携しながら取組まれています。他方で、カーボンニュートラルの実現においては、「排出基準設定の難しさ」や「検証の難しさ」が課題として挙げられています。「生産」ベースにして計測される二酸化炭素排出量は、先進国は減少傾向に、開発途上国は増加傾向となり、一方で「消費」ベースでの計測には精緻なデータや時間を要します。また、「検証の難しさ」については、「排出基準の設定」が難しいがためにその検証にも時間を要します。今後さらに様々な取組が展開される期待が高まる一方で、適切なPDCAの運用が求められます。昨今、様々な紙面に取り上げられるキーワードの1つに「メタバース」があります。これは、催事・誘客・コミュニティ形成、娯楽・学び・仕事、資産取引等の目的のために仮想空間を利用していこうとする動きと言えそうです。大手の参入や、革新的な技術の台頭(例:処理量を抑えつつ高解像度で仮想空間を描写できる技術)など、市場が拡大し、社会において利用が広がる諸条件が■いつつあります。民間だけでなく行政でも、より良い生活の実現のために、新たな公共空間の在り方検討、商業・観光振興、教育・文化振興などで、メタバースの活用方法を模索する動きが生じつつあります。仮想空間を構成するデジタルコンテンツの「創造・流通・活用が促される状況(エコシステム)」を生むための論点は多岐にわたりますが、現在の市場フェーズに鑑みて、3つ取り上げます。1つ目のポイントとしては、メタバースという手段・場の登場を自分事として捉え、活用準備に着手する関係者が増えることが重要でしょう。消費・購入等に繋げるためのプロモーションツールとしての活用法以外にも、交流の場づくりを通じたコミュニティ形成や関係そのため、従来の環境部局だけでなく、産業・技術、建設・土木、まちづくり、農林水産、人材育成など、さまざまな部局が連携した政策パッケージを検討し、推進していかなければなりません。取組当初は各分野における取組が推進されていくことになりますが、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けた地域全体の取組とすべく、具体的な取組の提案、課題可決に向けた提案、適切なPDCAの実施などでご支援して参ります。人口の増加、文化財等のデジタルアーカイブと連動した文化芸術の保存・継承など、「目的達成のストーリー・類型をどれだけ具体的に考えられるか」が■となりそうです。2点目としては、地域関係者のリーガルリテラシーが重要になるでしょう。メタバースに■れる知的財産(著作物、商標、意匠、データ等)の安全な利用・取引の知識が必要であるだけでなく、プライバシー保護、商行為に係る各種規制への理解が伴わなければ、一歩を踏み出しにくいことは確かです。3点目には、コンテンツを創造したり運用することに対応できそうな助言者や担い手を確保し「育成(成長促進)」する視点を挙げたいと思います。新興市場である故に、業界関係者といえども試行錯誤や挑戦を日々続けていることに配慮が必要と考えます。今後、メタバースへの対応に応じて、まちの見え方や魅力に差が生じる可能性があると考えられます。様々なプラットフォーム・要素技術・クリエイター等の情報を統合した当社の知見を活かして、活用における様々なボトルネックを解消していくお手伝いができればと考えています。12視 点主任研究員小森 清志副主任研究員平川 彰吾環境カーボンニュートラル社会を実現するために■カーボンニュートラル社会の実現に向けた取組と課題「2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会を目指す」との菅首相(当時)の宣言があった2020年以降、我が国のカーボンニュートラルへの動きが本格化しています。産業振興デジタルコンテンツのエコシステムを〜そろそろメタバースの取り組み時!?〜■「カーボンニュートラルという山の登り方は1つではない」これは、5月19日に記者会見を行った日本自動車工業会の豊田会長のあいさつにあった言葉です。今まさに、各者が各者の立場でカーボンニュートラルの取組を模索しながら山を登っている最中であると言えます。我々が主に支援する行政機関においては、人口減少・高齢化の進行という課題を解決しながらカーボンニュートラルという長期的かつ戦略的な課題に取組まなければなりません。また、例えば、製品設計のあり方、エネルギー供給システムのあり方、住宅地・農地・林地など土地利用のあり方など、各分野における取組の実情を踏まえた横断的な政策を検討しなければなりません。

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