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Ueda YoshitoIwata YuzoPFI/PPP(官民協働事業)PFI/PPP(官民協働事業)都市開発外郭団体改革(民営化、経営改革)Park-PFIで、民間収益施設(公募対象公園施設)として飲食・物販店を設置したとすると、各店舗はテナントを誘致することが一般的であり、店舗からのテナント料が収入の大きな柱となります。また事例によっては、園路等(特定公園施設)の維持管理対価を自治体が支払う場合もあります。一方、費用は、民間収益施設(公募対象公園施設)の整備や維持管理・運営に要する費用を当然負担したうえで、自治体に公共事業においては、公共サービスの支出(ライフサイクルコスト)と使用料等の収入との間に乖離=収支ギャップが生じる場合が多くあります。PFI手法は、その収支ギャップを、行政が負担する「サービス購入型」、行政と民間双方で負担する「ジョイントベンチャー型」、民間のみで負担する「独立採算型」に類型され、収支ギャップを民間ノウハウによって削減するとともにサービス水準の向上を図る事業手法です。また、コンセッション方式をはじめ、公募設置管理制度(Park-PFI)、公有財産活用(PRE)、負担付寄附など様々な事業手法の導入や組み合わせによって、収支ギャップや財政負担額の縮減が試みられています。我々コンサルタントは、行政とともに、また民間事業者との対話を通じて、フィジビリティスタディを繰り返し、財政負担額の縮減、VFM(Value For Money)を導出する事業スキームを模索しています。対しては設置部分について使用料を支払い、さらに、Park-PFIの狙いでもある特定公園施設部分への整備費等の充当も、費用として見込んでおかなければなりません。都市公園の活用という事業ではありますが、収支構造は商業施設の開発に近いです。自治体が民間に開放した“おいしいビジネス”ではなく、むしろ、収入は様々な要因によって大きく変動するというリスクを折り込んだ上で、費用についても極力抑制し、20年で投資に対してどの程度のリターンが出せるかという、純然たる民間の経営感覚が求められています。PFI事業以上に、Park-PFIでは、事業化した場合に民間が手を挙げるか、事前のフィージビリティ・スタディやサウンディングでの丁寧な検証が求められます。公共事業の事業手法を検討するにあたって、民間事業者から意見や提案を求めるサウンディング型市場調査の実施件数が増加しています。調査において、民間事業者から、左記の収支ギャップを埋めるサービス内容に関するアイデアや活用できる民間ノウハウを聴取し、事業計画に反映するなど、サウンディングは官民協働事業を推進する上での重要なプロセスとして定着しています。ただ、サウンディングを実施すれば、課題が解決されるわけではありません。実際は、収支ギャップを埋めることは容易ではなく、行政と民間事業者の認識のギャップが浮き彫りになる場面も散見されます。サウンディングを通じて、官民の適正な役割・リスク分担のもとで、VFMの最大化を図る事業スキームを見極めることが重要となります。弊社は、官民のインターフェースとして、行政と民間事業者の認識のギャップの解消をサポートし、官民協働事業を推進します。14視 点グループ長/主任研究員上田 義人主任研究員岩田 雄三公共経営Park-PFIのエッセンス■導入が進むPark-PFI 2017年6月の都市公園法改正で、設置管理許可制度の期間上限が引き上げられた(10年→20年)ことなどから、全国の都市公園でPark-PFIの導入が進んでいます。Park-PFIは、「公園で実施するPFI事業」と誤解されることも多いのですが、設置管理許可制度により都市公園内での民間収益施設(公募対象公園施設)の整備運営を認め、その収益の一部を園路等(特定公園施設)の整備費に充てることを前提に、公園の一体的な活用を民間事業者に委ねるものであり、PFI事業ではありません。■商業施設の開発に近い収支構造公共経営公共経営におけるギャップ■公共事業における収支ギャップの縮減■サウンディングを通じたギャップの解消

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