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Yamada RenaYoshita NatsukiPFI/PPP(官民協働事業)都市・地域計画生活インフラ再編まちづくりPFI/PPP(官民協働事業)地域防災2022年5月には、商業施設の渋谷マルイが木造へ建替えを行うと発表しましたが、国内ではほかにもオフィスビルや大学施設、集合住宅などで木造化・木質化の中高層建築物が計画・建築されています。一般的に木造化・木質化の建築物では、CLT(直交集成板)と呼ばれるひき板(ラミナ)を木の繊維方向が直角に交わるよう積み重ねて接着した材料を構造に使用するほか、要所に鉄筋コンクリートを組み合わせたハイブリッド構造による事例が多くなっていますが、大林組が自社グループの研修施設として建築した横浜市の「Port Plus」(地上11階、地下1階建て)は地上部の柱や梁などの主要な構造物を木材のみで作っており、木材の使用割合をさらに向上させる動きも出てきています。今後、中高層建築物の木造化・木質化の動きがさらに広がることで、木でできた中高層ビルが当たり前の光景になるかもしれません。このような事業手法を導入した目的は、管理運営事業者と設計事業者の密な協業を促し、管理運営事業者や地域住民の視点を設計に反映させやすくすることにあります。両事業者が最大限に創意工夫を凝らし、地域住民にとっては利用しやすく、事業者にとっては管理運営がしやすい設計とすることで、持続可能な施設の実現を目指します。■地域の実情に合った事業手法人口減少や厳しい財政状況、公共施設の老朽化等の深刻化する行政課題や、多様化する住民ニーズを踏まえ、公共施設の複合化・多機能化が進められていますが、多様な機能を高い次元で融合させ、住民に愛される公共施設の整備運営を進めるためには、民間事業者との連携が必要不可欠です。弊社は、効果的かつ持続可能な公共サービスの提供を目指し、各地域の実情に合った官民連携事業を支援します。16視 点全国の自治体では、様々な公共サービスにおいて官民連携の取組みが広がっています。官民連携の事業手法は、PFIやコンセッション方式、デザインビルド方式、指定管理者制度、包括的民間委託等、多種多様です。各地域が抱える課題に適切に対応するためには、数ある事業手法の中から各地域の実情に合ったものを選択することが重要です。■前例にとらわれない新たな事業手法の導入事例京都府久御山町における公民館を含む複合施設の整備運営事業では、町と議論を重ねたうえで新たな事業手法を採用しました。類似施設では、設計・建設・管理運営を一体的に発注・契約するDBO方式が一般的ですが、今回は管理運営事業者と設計事業者を同時に選定し、その後、建設事業者を選定するという手法をとりました。事業者の募集時には、管理運営業務と設計業務を合わせて一つの提案を受け付ける公募型プロポーザルを実施し、事業者選定後は自治体が、管理運営事業者との契約と、設計事業者との契約を個別に締結します。研究員山田 怜奈研究員吉田 夏稀都市・地域計画都市に広がる最新の木造建築■導入が広がる中高層建築物の木造化・木質化 現在、中高層建築物において木材を使用する事例が増えていることをご存知でしょうか。これまで、木造といえば一戸建てや低層住宅が主で、中高層建築物では耐火性や耐震性の問題から難しいとされてきました。しかし、近年の木質化技術の発展により建築物に求められる耐火性や耐震性を満たすことが可能になり、また国として国産木材の国内消費を推進していることもあり、木材を使用した中高層建築物の取組が増加しています。 建物を木造化・木質化することにより、鉄筋コンクリートや鉄骨といった他の構造材に比べ重量が軽いこと等から建設コストの削減や工期短縮といった建設面でのメリット、炭素の固定による地球温暖化防止への貢献や再生可能資源である木を使うことによる循環型社会への貢献といった環境面でのメリット等が期待されています。公共経営地域の実情に合った事業手法の提案■多種多様な官民連携による事業手法■国内の先進事例

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