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Shiga YukiIto MizumoPPP(官民協働・連携)都市・環境マネジメントリスクコミュニケーションPFI/PPP(官民協働事業)場所づくり(プレイスメイキング)DEI(多様性、公平性、包摂性)視 点SDGsに関心のある方々はSDGsウォッシュを一度は聞いたことがあると思います。SDGsウォッシュとは、実態が伴っていないがSDGsに取組んでいるように見せかけること(または意図せずその状態に陥っていることも含む)を指し、早くからSDGsに取組む企業や関心の高い消費者ほど強い意識を持っています。SDGsウォッシュに近い状況は社会の至るところで散見されます。DXやスマートシティの取組もその一つであり、デジタルやデータの活用等による先端的な取組が実際にどこまで仕事や暮らしの質の向上に貢献できているのか(またはでき得るのか)効果検証が求められます。■目標達成のプロセスと指標・数値目標の設定政策評価や目標設定のアプローチとしてロジックモデルやバックキャストがありますが、そのポイントは具体的な行動への落とし込みにあり、目標実現に向けたプロセスの構築と指標の設定が課題となります。コロナ禍の発生と政府の出勤者7割削減要請によってテレワーク等の具体的アクションを起こさざるを人口減少や自治体財政が縮小傾向にある中、既存の公共施設等の効率的な維持管理・老朽化への対応として、施設用途や機能の集約化・複合化が進んでいます。その効果は、財政状況の改善だけでなく、施設の集客・魅力向上等へ寄与し、まちのにぎわい創出にもつながっています。■利用者ニーズの多様化への対応施設の集約化・複合化のメリットは、単なるコスト削減や施設活性化に限りません。集約化・複合化のタイミングで、従前の施設整備時に顕在化していなかった、利用者・地域ニーズへの対応を検討することもできます。新たに必要となる機能を付加する整備を併せて行うことで、ゼロから新しい施設を建設せずとも、時代・社会とともに多様化するニーズを踏まえた施設整備・運営が可能になるというメリットもあります。■利用者個人の多様性への配慮あらゆる人々が利用する公共施設等に対しては、様々な意見・得なかったように、統治者による数値設定の威力は効果的です。一方で、コミットメントに躊躇して曖昧な目標や実現可能性に縛られた数値設定に留まれば、改革や行動変容にはつながらないでしょう。■取組の構築と評価・検証は中長期目線でスマートシティをはじめ、都市戦略構築にはこうした数値目標の設定が欠かせませんが、その動向は個別取組みのKPI(重要業績評価指標)設定から市民満足度をはじめとした全体評価の重要性に移りつつあり、いかなる要素項目への貢献が全体評価の向上につながるのか関係性を明確化が求められます。こうした要素間の関係性分析に向けて、まずは対象地域の実態や市民ニーズの把握から始め、段階的な情報収集や効果の蓄積による足固めのスタンスが肝要です。こうすることで、見せかけだけの取組にならず、実態がともなった事業や成果を生み出すことができると考えます。要望が出るものですが、実際の整備に結びつく意見は得てしてマジョリティによるものであるという点には、改めて注意を払う必要があります。たとえば、障がい者やLGBTQ、外国人住民等のマイノリティにとっては、既存施設の利用・アクセス性に何らかの障壁がある場合があります。また、少子高齢化で、依然として男女の賃金格差がある日本社会では、女性や子ども、若年層が制度設計に関与しづらく、意見が反映されにくいといえます。■インクルーシブ(多様性の包摂)を念頭に置いた施設整備近年の官民連携等による施設整備の成功例に目を向けると、多世代が集える場所や、マイノリティ属性の利用者が居心地よく過ごせる場所を創出しているという共通点があります。まちづくりのトレンドであるプレイスメイキング(場づくり)やウォーカブルに関する取組も、その根底を■ればインクルーシブ(多様性の包摂)の概念があります。自治体によるハード面の整備においても、利用者個人の多様性とその包摂が■となる時代に突入していることを踏まえたうえで、地域に適したご提案やご支援をさせていただきます。20研究員志賀 優貴研究員伊藤 瑞萌公共経営取組の評価とマネジメント〜見せかけの取組を避けるには〜■散見される「見せかけ」の取組公共経営公共施設等利用者の多様性が■となる時代■既存公共施設等の改編期

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