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Kawai SyujiMinamida Ayumi都市及び地方計画産業振興・新産業戦略まちづくり・ひとづくり地域の国際化産業振興・流通(食・農)本年6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」では、岸田内閣の掲げる「新しい資本主義」に向けた重点分野の1つとして、「人への投資」があげられています。デジタル化や脱炭素をはじめとした大きな変革の波の中、人口減少に伴う労働力不足に直面する我が国において、創造性を発揮して付加価値を生み出していく原動力は「人」であり、我が国の自律的な経済成長を実現するには「人」への投資を拡大することで、次なる成長機会を生み出すことが不可欠であるといった考えが示され、そのための取組の一環として、社会全体での学び直し(リカレント教育)を促進するための環境整備があげられています。我が国の産業においては、近年、DXの必要性が叫ばれていますが、その推進を担うデジタル人材が圧倒的に不足しており、2030年には最大約79万人が不足すると試算されています(経済産業省「IT人材需給に関する調査」)。このような状況を改善するため、経済産業省では、これまで2022年3月、岸田首相のウクライナ避難民の受け入れ表明により、人道的な観点でのウクライナ避難民の受け入れが開始され、全国で6月1日現在1,161人を受け入れています。愛知県によると、愛知県では5月27日現在51人を9市で受入れている状況です。(市町村が把握している限り)■地域の外国人受入れ団体等との連携ウクライナ情勢の先行きが不透明な状況のため、中期的な滞在を見据え、避難民の生活を整えることが必要です。そのような中で、この地域においては、外国人の受入れが多いことから、外国人向けに日本語学習、生活相談、就労支援、子どもの教育等において支援を行ってきた人・団体等も多く、そうした団体等と連携して支援をしていくことが重要と考えます。■行政の体制構築に民間活用も一方で、こういったノウハウを持った人・団体等と連携していくことや、ウクライナ避難民の1人1人の状況が異なる中で、デジタルスキルを学ぶ機会がなかった方にも新たな学びを始めるきっかけとなるよう、誰でもデジタルスキルを学ぶことができる学習コンテンツを紹介するポータルサイト「マナビDX(デラックス)」を今春開設しています。同サイトでは、原則無償のデジタル入門/基礎講座が紹介されていますが、今後、実践的な疑似体験学習や現場研修などの課題解決プログラムといったコンテンツが拡充される見込みとなっており、弊社も地域デジタル人材育成・確保推進事業の受託事業者として、それらプログラム推進の一翼を担う予定となっています。地域のデジタル人材育成ならびにDX推進に向けては、習得したデジタルリテラシーを実践知へと昇華していくことが重要であり、その環境整備に向けて、是非、弊社の知見・ノウハウを活用いただけると幸いです。寄り添って対応していくためには、行政でのコーディネート機能が重要となります。ただし、対応窓口となりうる多文化共生の部署においては、担当者が少ないことが多く、通常の体制では難しいことから、人員と予算の配置が必要です。名古屋市では、支援したい人(市民・団体・企業等)と支援してほしい人(ウクライナ避難民)のニーズをマッチングすることを、NPO団体(レスキューストックヤード)に委託しています。このように、内部で体制構築できない場合は、柔軟に民間を活用していくことも重要です。■ウクライナ避難民への関心を 多文化共生への関心につなげるウクライナ避難民へのメディア等の注目で、これまで外国人受入れや社会への適応等に関心の無かった人でも、多文化共生社会について考える機会が多くなっています。ここで芽生えたものを、多文化共生への更なる意識醸成へ繋げていくことも求められています。24視 点主任研究員河合 修治主任研究員南田 あゆみ人材育成地域デジタル人材の育成・確保に向けて外国人活躍、多文化共生ウクライナ避難民受入れ〜今地域で求められていること〜■ウクライナ避難民の受け入れ

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