中堅・中小卸売業の生き残り戦略

2012/04/01 寺島 大介
中堅・中小企業経営

東日本大震災や欧州危機等、経済環境は厳しい状況が続いている。卸売企業もその例外ではないが、国内を市場とする中堅・中小の卸売企業にとっては、この厳しい状況は一過性のものではなく、さらに厳しい状況が待ち受けている。ひとつはメーカー・小売企業の進化による「卸売業」の存在意義の低下であり、もうひとつは人口減少にともなう需要の減少である。
このようななか、中堅・中小卸売企業が生き残っていくためには、これまでとは違った方向性・戦略が必要となる。
顧客から求められるニーズに対しての自社の「提供価値」を考え抜き、自社の「強み」を見定める。そこから絞り込まれた「軸」にしたがって、「既存事業の強化」もしくは「新規事業の開発」を進めていく。
「既存事業の強化」のためのキーワードは「ターゲットの絞り込み・明確化」、「海外・他社との連携による基本機能の強化」、「サービス業化」である。特に「サービス業化」は中堅・中小企業ならではの柔軟性の高さを活かせる強化領域であり、最も重要なポイントである。
「新規事業の開発」のためのキーワードは自社の「強み」を活かした「川下への進出」であり、「ネットの活用」である。
これらの方向性を「軸」をぶらさず、複合的に組み合わせ、推進・徹底することが「生き残り」「成長」するために不可欠である。

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