創業の精神を継承し、社員の行動・意識をひとつにするウェイ・マネジメント

2013/04/30 寺島 大介
経営戦略

今、企業は非常に厳しい競争と変化のさなかにある。市場のグローバル化、技術 革新や景気変動、社員の価値観や雇用・就業形態の多様化等、不確定要素が大きく なるなかで継続的な成長を実現するためには、普遍的な「軸」を確立し、人材力・ 組織力を向上させていくことが不可欠である。

トヨタやオリエンタルランドといった強い企業は、自社としての普遍的な 「軸」=「ウェイ」をもっている。 「ウェイ」とは「○○流」、「××イズム」と言われる、その企業“らしさ”であ り、その企業や社員の業務判断・遂行のベースとなる組織共通の価値観を明文化し たものである。また、「ウェイ」はその会社の経営理念・ミッションやビジョンを 達成するために社員一人ひとりが意識・実践すべき「行動指針」でもある。

その策定と浸透・共有するプロセス・手法が「ウェイ・マネジメント」と呼ばれるもので、大きく2つのフ ェーズに分かれる。その企業の歴史や強み・弱み、今後の戦略・方向性から、「継承すべき価値観」と「新たに 獲得すべき価値観」を抽出し、社員一人ひとりが実践可能な「ウェイ」へと凝縮する。

さらにウェイの浸透・共有の仕組みを確立し、理解~行動・共有~定着・継承といったプロセスを経て「組 織風土」と呼ばれるレベルまで昇華させる。

人材力・組織力を高め、理念やミッション、戦略の実現力を高める「ウェイ・マネジメント」は今後の企業 経営において必須のものとなる。

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