フルセット型の追加緩和を打ち出したECB ~景気下支え効果には疑問~

2019/09/17 土田 陽介
調査レポート
海外マクロ経済

○ECBは9月12日に開催した定例の政策理事会で、7月の理事会で示唆した通り金融緩和を強化した。量的緩和の再開とマイナス金利の深掘りを主とするフルセット型の緩和が実施される。
○量的緩和は少額にとどまり、マイナス金利の深掘りも小幅であった。量的緩和もマイナス金利も限界が意識されており、景気下支え効果が見込めるか定かではない。
○金融緩和の限界が意識される一方で財政拡張に対する期待が高まっているが、景気後退が明確に意識されない限り実現は見込み難い。効果が薄い金融緩和に依存する展開が当面は続くだろう。

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