2023年10~12月期のGDP(2次速報)結果~プラス成長に転じるも内容の厳しさに変わりはなく、景気は足踏み状態にある~

2024/03/12 小林 真一郎
GDP統計
GDP
国内マクロ経済

3月11日発表の2023年10~12月期の実質GDP成長率(2次速報)は、前期比+0.1%(前期比年率換算+0.4%)と、1次速報の同-0.1%(-0.4%)から上方修正された。しかし、プラス幅は小幅であり、個人消費がさらに下方修正されるなど内容の厳しさに変わりはなく、景気は引き続き足踏み状態にあると判断される。

需要項目別に1次速報からの修正状況をみていくと、家計関連では、実質個人消費は前期比-0.2%から同-0.3%に下方修正された。財別の内訳を見ると、自動車の販売増加などにより耐久財が同+6.1%(+6.4%を下方修正)と増加したものの、価格高の影響による節約志向の高まりによって非耐久財(食料、エネルギー、日用品など)が同-0.5%(-0.3%を下方修正)、半耐久財(被服・身の回り品など)が同-1.3%(-1.7%を上方修正)と減少したほか、サービスは同-0.5%(-0.6%を上方修正)と7四半期ぶりに減少した。サービスについては、名目値も同-0.9%と7四半期ぶりに減少しており、コロナ禍明け後に順調に回復していた宿泊・飲食サービス、旅客輸送、レジャーといった対面型サービスへの支出が一巡した可能性が高い。

実質住宅投資は、資材価格の高騰などの影響で住宅着工戸数が弱含んでいることを反映して、前期比-1.0%(修正なし)とマイナスが続いた。

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