日銀短観(2021年9月調査)予測

2021/09/15 小林 真一郎、丸山 健太
日銀短観
国内マクロ経済
  • 10月1日に公表される日銀短観(2021年9月調査)の業況判断DI(最近)は、大企業製造業では、前回調査(2021年6月調査)から3ポイント改善の17と予測する。回復が遅れていた素材業種の改善幅は大きいが、加工業種の改善が鈍く、コロナ禍からの回復は続くものの、そのペースは鈍化するとみられる。先行きは多くの業種で慎重な見方が示され、2ポイント改善の19となろう。
  • 大企業非製造業の業況判断DI(最近)は、前回調査から1ポイント改善の2と予測する。緊急事態宣言の長期化と、本来繁忙期である夏場の需要を取り込めなかった対面型サービスでの悪化が重石となり、前回と同様、改善は小幅にとどまる見込みである。先行きは、ワクチン接種の進展に伴う経済正常化への期待感が高まっていることを反映し、6ポイント改善の8となろう。
  • 中小企業の業況判断DI(最近)は、製造業では前回調査から2ポイント改善の-5に、非製造業でも前回調査から1ポイント改善の-8になると予測する。先行きは、製造業で1ポイント改善の-4、非製造業でも5ポイント改善の-3となろう。中小企業は収益力が弱く、大企業と比べて外的ショックに脆弱であることから、コロナ禍からの回復も緩やかに進むとみられる。
  • 2021年度の大企業設備投資計画は、例年のパターンを踏襲し、製造業、非製造業ともに前回調査からほとんど修正はなく、業績の改善が進む中で、ウィズ/アフターコロナの経済活動に適応するための設備投資、コロナ禍で実行できなかった設備投資の持ち越しに加え、昨年度の大幅な落ち込みからの反動も期待され、強めの増加計画が維持される公算が大きい。

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