社会資本におけるNPM型マネジメントシステムの構築に関する研究

2008/10/01 岩田 雄三
社会資本整備
マネジメント
財政

わが国の社会資本は、高度成長期に建設されたものが多く、間もなく更新時期のピークを迎えるといわれている。一方で、国や地方団体は、逼迫した財政状況にあり、社会資本を効果的・効率的に運営・運用することや、このことによって社会資本の更新時期や更新費用を平準化することが求められている。これに対して、社会資本のライフサイクルコストを最小化し、その効果を最大化する管理手法として、アセットマネジメントやファイシティマネジメントといった手法が注目されており1、これらの手法による社会資本のマネジメントシステムの構築が検討されている。
マネジメントシステムを構築するにあたっては、より効果的・効率的な資源投入や活動のあり方を論理的に検討し、実践することが求められる。その枠組みとして、目標と手段の因果関係を明示する「ロジックモデル」と民間ノウハウを活用する「契約型システム」の導入による公共経営(NPM:New Public Management)型マネジメントシステムを構築することが有効である。NPM型マネジメントシステムとして「ロジックモデル」の効果的な運用にあたっては、公共団体は、評価計画に基づくマネジメントサイクルを構築・運用することが重要である。また、「契約型システム」の運用にあたっては、公共団体は、公共事業の管理者として、民間事業者に対して、また、かかる事業のガバナンスを確保することが重要である。

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