企業SNSマーケティング ビジュアルコミュニケーション戦略のすすめ

2022/02/01 備前島 拓人
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Webの発達とデジタルデバイスの多様化・高度化に伴い、デジタルトランスフォーメーションを加速させる各企業はSNSを活用したコミュニケーションに取り組み始めています。企業からも、「従来のメディア(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)を通じた広告手法では売上効果が得にくくなる中、SNSを中心としたWeb上でのコミュニケーションを含めたアプローチの必要性を感じ、実際に自社内で力を入れ始めた」という声を耳にします。ただ、売上や成果につなげるために何に注力するのが一番効果的か分からず、模索を続けている企業が少なくありません。この原因として、デジタル特有のビジュアルコミュニケーション(視覚伝達)に関連する戦略があいまいなままSNS等の運用を始めていることが考えられます。

そこで、本稿では、企業のSNSマーケティングについて、デジタルデバイスを介した消費者の生活の現状をまとめるとともに、「ビジュアルコミュニケーション戦略」を切り口に、今後ますます必要となる考え方や対策を解説します。

デジタルデバイスを介した消費者の生活から考える、企業のSNSマーケティングのあり方

デジタル技術の急速な向上により、数年前では全く考えられない体験を、PCやスマホ上で享受できることが当たり前となってきました。情報が次から次へと手に入るだけではなく、文字・音・動き等、1画面あたりで伝えられる情報の量が増え、発信者が情報の受け手に対して伝えたいイメージが臨場感を持って伝えられるようになっています。

さらにはSNSの発達により、芸能人等の遠い存在や憧れに近い存在だったような人が、手元にあるデバイスで常にアクセスして身近に感じられることで親しみを抱くといった、消費者心理の大きな変化が生まれています。ネット上において、発信する立場と情報を受け取る立場、さらには個人と個人との距離が急速に縮まっているのです。これはデジタル技術の向上だけではなく、新型コロナウイルスの感染拡大により生活様式が様変わりしたことも多分に影響していると思われ、年代を問わずデジタルを介したつながりを前提とした生活に慣れたためともいえます。

このような状況で、企業のSNSマーケティングを考える際は広告の手法を従来のマスコミュニケーションの延長で考えることはせず、抜本的に変えていくのは当たり前のことであり、アピールしたい内容によっては媒体にあわせた手法を選択することは必至といえます。

ビジュアルコミュニケーション戦略で重要視される伝達手法とは

上述のようにデジタルデバイスの発達によって量も質も変化しつつある情報のうち、SNSマーケティングにおいて最も重要となるのは視覚による情報伝達です。その中でも、写真や映像を重要な伝達手法と定義し、これらをより重視したビジュアルコミュニケーション戦略の設計をご提案します。

この戦略設計の際に留意すべきは「自分ごと化」「共感」「ストーリー」の3点を踏まえることです。消費者の手元にあるデバイスで、「まるで自分のことのように感じるように伝え」「『わかる!』という視点を大事にし」「物語として伝える」ことが重要となります。言葉だけでなく、写真や映像から発する情報にもさらに留意し、一つひとつの発信やコミュニケーションを仕上げていくのです。

写真や映像について、「綺麗だから」「いつも使っているから」という主観的な運用では効果は出ないどころか、伝わらない情報を一方的に押し付けられると捉えられかねません。また写真や映像が伝わりやすい情報伝達手段であるからこそ、一つの誤りが企業やブランドのイメージダウンにつながる危険性もあります。マーケティングのみならずコーポレート戦略の面でも、ビジュアルコミュニケーション戦略は重要と言えるのではないでしょうか。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは、デジタルマーケティング領域のノウハウ(カスタマージャーニー分析・ロードマップ提供)を駆使し、SNSマーケティングにおけるビジュアルコミュニケーション戦略をご支援いたします。デジタルを活用した統合マーケティング、特にSNSマーケティングにお困りの際はぜひご相談ください。

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