2013年の日本経済はアベノミクスに沸いた。たしかに景気は回復しており、円安による輸出品の競争力改善、株高を背景にした消費者マインドの改善、緊急経済対策による公共投資の拡大といったアベノミクス効果がある程度プラスに働いたことは否定しない。もっとも、アベノミクスが華々しく登場しなくても、世界経済の持ち直しを背景に景気は底打ちしていたはずだ。2014年は、消費税率引き上げのマイナス効果が現れ、財政支出拡大等政策効果の一巡等が影響して、前年に比べると成長率が低下するが、世界経済の回復を背景に輸出が拡大を続け、設備投資も増加に転じ、プラス成長を維持するだろう。
2014年は、「デフレを脱却できるか」ではなく、「デフレを脱却したらどうなるのか」ということが重要なテーマになってくる。デフレを脱却すると、これまで実質個人消費を支えていたデフレのメリットがなくなる。デフレ脱却とともに個人消費が減速するというインフレのデメリットに注意が必要となろう。
一方、需給ギャップが縮小していることは、景気が上振れる前向きな動きとなりうる。設備や雇用の過剰感が解消して一部に不足感が出ているのであれば、設備投資や雇用が拡大してもおかしくない。そうならないとすれば、それは経営者が将来に対する展望を持てず、攻めに転じることができないからだ。
だからといって、政府が何かしてくれるのを待っていても道は開けてこない。アベノミクスの夢から覚めて、新たな成長分野を自分たちの手で切り開くようになることが、2014年を新たな始まりの年にするカギになるだろう。
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