ノウハウを形式知化し組織力を最大化する、BtoBビジネスにおけるCRMプラットフォーム構築

2015/05/11 寺島 大介
データマネジメント
データ活用

CRM(Customer Relationship Management)という概念が登場して以来、 EC 等の普及により、BtoC ビジネスでは進化・普及が続いているもののBtoB ビ ジネスではあまり注目されてこなかった。

BtoB ビジネスは取り扱う商品・サービスに関わる専門性の高さや顧客の意思決 定スタイル、あるいはIT の進化により、BtoC ビジネス以上にCRM の重要性が高 まりつつある。

中長期的なストーリーや活用シーン・メリットが不明確なまま、データの蓄積あ りき、システム構築偏重のCRM はメリットが十分得られず、失敗する可能性が高 い。

CRM 構築にあたり、最も重要なのは「アクション」につなげることである。データをもとに顧客に対して、適 切なタイミングで的確な行動(アクション)を起こす、顧客へのコミュニケーションや価値提供の基盤「プラッ トフォーム」であるべきだ。

構築のポイントは(1)自社の「強み」・差異化を意識した事業戦略の明確化、(2)メリットの高度化に向けたプロ セス・ストーリーづくり、(3)活用シーン・メリットの具体化、(4)システム構築方針の明確化、(5)「上から」「逆から」 の構築プロセス、(6) PDCA の徹底、である。

また、CRM のメリットは活用されるにつれ、徐々に拡大するものであり、データの蓄積・更新、アクション、 結果の蓄積を愚直に続けてこそ、そのメリットを最大化することができる。 環境変化、競争が一層激しくなる中、BtoB 企業の存続・持続的な成長は、社内の個人の中に埋没しがちなノ ウハウを形式知化、組織力を最大化し、顧客に提供する価値をいかに上げていくかにかかっている。

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