2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた日本経済の課題~隠れていた日本の強さを発見する~

2015/05/08 鈴木 明彦
国内マクロ経済
スポーツ

1964年の東京オリンピックが、70年の大阪万博と合わせて高度成長期を象徴 する一大イベントであっただけに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック に対する期待も高まってきている。日本経済復活のきっかけになるとの期待だ。

たしかに、50年前は、オリンピックを契機に新幹線や高速道路等、高速交通網 の整備が始まり、高度成長期が絶頂期を迎える中で日本の「ものづくり」も大きく 発展した。立派にオリンピックを開催できたという事実が、日本人の自信を深め、 経済発展を精神的に支える役割を果たしたのかもしれない。

もっとも、40年前に高度成長が終わり、日本経済は内外の需要があまり伸びな い時代に突入した。そうした事実をきちんと認識できないまま、過剰な供給力を抱 えてしまい、20年前にバブルが崩壊した。その後の20年間は需要不足という環境変化を認識し、スリム化を 武器に稼ぐ力を高めてきたが、一方で設備投資を抑えてきたことが、「ものづくり」日本の競争力に暗い影を 投げかけている。

しかし、「ものづくり」は常に新しい分野が生まれてくる。「ものづくり」に安心・安全・正確性等の日本 ならではのアルファを加えて価値を高めることもできる。さらに、おもてなしの心で提供するサービス等、日 本には隠れた強さがたくさんある。その中には、日本人がまだ気づいていないものもあるだろう。

2020年のオリンピック開催はより多くの外国人が日本を訪れるきっかけになる。人と文化の交流が深まる なかで、新しい成長分野の種となる日本の良さや強みを発見するチャンスが到来するのではないか。

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