リーマンショック前には世界経済の活況によって隠されていた問題点が、リーマンショックによって一気に顕在化してきた。世界経済はショックから立ち直っているが、米国も欧州も中国もそれぞれの新たな立ち位置を模索している。 日本も例外ではない。リーマンショック前までの日本経済は、輸出の拡大に支えられ2%程度の成長を続けてきたが、リーマンショック後は、輸出主導の成長メカニズムがうまく働かなくなり、ほとんど成長しない状態が続いている。
政府は、アベノミクスによって経済を元気にしようとしているが、金融緩和、財政出動、成長戦略という3本の矢は実はオーソドックスな経済政策の組み合わせである。日本経済の構造変化に直面して、アベノミクスは期待されたような成果を発揮できないままでいる。
日本経済の先行きに対する閉塞感が強まっている。少子高齢化が進む中で潜在成長力が低下していることは受け入れないといけない面もあるが、競争なくして成長はない。経済政策も、金融緩和、財政出動、成長戦略というこれまでの常識から発想を転換して、競争志向的な政策に切り替えていく必要があろう。
TPPはそうした政策転換のきっかけになりうるものだ。日本経済の先行きに対する悲観論が漂う中で、TPPについてもマイナスのイメージでとらえられることが多い。しかし、守りに徹していても成果は出てこない。
競争に積極的に参加していくことによって道が開けてくる。TPPを、閉塞感を打ち破り、日本経済が復活するきっかけにしていかなければならない。
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