1．2023年も「安定」重視の政策運営

2022年12月、中国共産党指導部は中央経済工作会議を開催した。同会議は、2023年の経済運営方針を定める重要会議である。閉会後には、習近平総書記はじめ党指導部による重要講話が公表され、2023年の経済運営方針が示された。

2023年の経済運営のキーワードは、昨年2022年に続き「安定（中国語：稳）」である。重要講話のなかで「安定」は31回登場し、習政権下（2012年～）では2013年と並び最多となった（図表1）。

また、2023年の経済運営方針として「成長の安定、雇用の安定、物価の安定」が強調された。2018年から2021年まで使われた「6つの安定（六稳）」に代わる新たな表現として注目される。「6つの安定」は、雇用・金融・貿易・外資・投資・市場予測の安定を指したが、2023年の経済運営方針でこれらは「成長の安定」に集約され、人々の社会生活と密接に関連する「雇用」と「物価」の安定を特に重視するように改められた。

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