関西のインバウンド消費(2016年7-9月期)~依然高い伸びが続く関西のインバウンド消費~

2016/11/17 塚田 裕昭
調査レポート
国内マクロ経済

○2016年7-9月期に関西を訪問した外国人数は前年比+26.4%の284.5万人、関西での消費額(インバウンド消費額)は同+34.9%の2,704億円、訪日外国人一人あたり消費額は同+6.8%の9.5万円となったと推計できる。

○関西を訪れる外国人数は、増加基調で推移している。2016年7-9月期の前年比伸び率は2015年に比べると縮小したものの、依然高い伸びを維持しており、全国、関東、中部に比べても高い伸びとなっている。

○2016年7-9月期の全国のインバウンド消費額の伸び率は前年比で-2.9%と19四半期ぶりに減少したが、関西のインバウンド消費額は高い伸びを維持している。地域別に比較してみても同-21.8%と大幅に減少した関東とは対照的な動きとなっている。

○インバウンド消費額を訪日外国人数で割った一人あたりインバウンド消費額は、全国、関東等では減少基調で推移しているが、関西は概ね横ばい圏で推移している。

○関西のインバウンドの最近の特徴として、奈良県、大阪府の好調さをあげることができる。奈良県は、豊かな観光資源を抱える割には、これまで外国人観光客を十分には引きつけられずにいたが、このところ訪日外国人のリピーター比率が高まる中、「今度は奈良を訪れよう」という観光客を引き込むことに成功しつつあるようだ。大阪府については、爆買い一服と言われる中でも、消費単価は高い伸びを示しており、訪問人数の増加も相まって、インバウンド消費額は高い伸びを維持している。大阪を訪れる外国人の平均泊数は増加してきており、爆買い一服後は、大阪を起点として関西の観光地を巡るコト消費の動きが拡がっている可能性がある。

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