○住宅着工はすでに2019年前半をピークに減少に転じていたが、年明け以降の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2020年4~6月期の住宅着工は年率換算で79.8万戸と、2010年4~6月期以来、実に10年ぶりに80万戸を下回る低水準となった。
○もっとも、すでに緊急事態宣言が解除されたことで、経済活動は平常化へ向けて動き出しており、住宅着工についても下げ止まりの兆しが見え始めている。感染拡大防止を図りながら、経済活動の平常化へ向けた動きが本格化していく中で、今後、住宅着工は持ち直していくと考えられる。
○他方、日本はすでに本格的な人口減少社会に突入しており、新型コロナウイルスの動向如何にかかわらず、中長期的に住宅着工は減少基調で推移すると考えられる。
○これは、住宅投資等の落ち込みを通じてGDP成長率が押し下げられるだけでなく、住宅を供給する企業にとっても競争がさらに激化することを意味する。新型コロナウイルス問題を受けて人々が住宅に求めるニーズが通勤時の利便性よりも住み心地の良さを重視する傾向に変化する中、新築、リフォームを問わず付加価値の高い快適な住環境を提供していければ、企業だけでなく、日本経済全体にとっても住宅着工の減少による悪影響の緩和につながると期待される。
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