経済・産業・雇用・労働

2014~2015年度 関西経済見通し

~緩やかに回復する企業部門と出遅れる家計~

2014/08/05 塚田 裕昭
関西経済見通し
国内マクロ経済

○関西経済 は2012年秋以降、緩やかに持ち直している。足下の経済指標を見ると、輸出はこれまでの横ばい圏の動きから緩やかに持ち直してきており、全国と対比しても良好な動きとなっている。生産は、消費税率引き上げ前の駆け込み対応などにより2014年に入って水準が高まっている。出荷が減少して在庫が増加という懸念材料もあるが、4月の引き上げ以降もこれまでのところ生産は高い水準を維持している。設備投資は13年度以降、非製造業を中心にようやく持ち直してきている。個人消費は、消費税率引き上げに伴う駆け込み増、反動減を経て、足下では反動減からの持ち直しの動きが出ている。短期的な変動を均してみると、消費水準が落ち込んだわけではなく、緩やかな持ち直しが続いている。名目ベースでは賃金がようやく下げ止まってきた中で、消費者マインドも持ち直している。しかし、消費税率引き上げにより、4月以降、物価が一段と上昇しており、実質賃金が大幅に減少している。

○2013年度の関西経済の実質域内総生産(GRP)伸び率は、前年比+2.2%と、ここ数年では比較的高めの成長となったと見込まれる。景気の緩やかな回復が続く中で、14年4月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要や、12年末ごろからの株高の進展、相次ぐ大型商業施設のオープンなどが、関西の消費を押し上げた。また、高速道路の新規建設、台風被害の復旧工事など公共投資の増加も成長率の引き上げに寄与した。

○先行きを展望しても、関西経済は緩やかな持ち直しを続けると見込まれる。14年度以降の関西経済の実質GRP成長率については、14年度+0.7%、15年度+1.0%と見込む。2014年4月の消費税率引き上げによる個人消費などの一時的な落ち込みはあるものの、世界経済の緩やかな回復が続く中、輸出や生産が増加を続け、景気の腰折れは回避できる。また、非製造業を中心にようやく持ち直してきた設備投資が成長を下支えする。このように、関西経済では景気回復のメカニズムが働いているが、物価の上昇による実質所得の減少が続くことが個人消費の頭を抑えるため、経済成長のペースは緩やかなものにとどまるだろう。

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