企業人事部門のトピックスに関するアンケート調査(2023年度)~「賃上げ」「人的資本経営と情報開示」などに関する動向~
2024/04/12 花井 宏介、小口 智香
組織・人事戦略
独自調査
人的資本
開示
【要旨】
- 2023年は賃上げをベースアップで対応した企業(69.8%)が最も多かった。一方、賃上げを実施していない企業は11.8%で少数にとどまった。賃上げの1人当たり平均金額は「5,000円以上7,500円未満」(26.5%)が最多で、1万円未満が全体の76.2%であった。
- 賃上げを実施した理由は、「物価上昇への対応(52.7%)」とした企業が最も多く、「労働組合からの要請」(42.0%)が続いた。また、採用競争力の強化やリテンションを目的に賃上げを実施した企業も一定数存在している。
- 賃上げの実施スタンスは、「一律的な引き上げ」(63.5%)とした企業が最も多く、若年層への重点的な引き上げ(「新卒者の初任給の引き上げ」(58.7%)、「若手層への重点的な引き上げ」(38.6%))と続いた。
- 2024年も賃上げの実施を想定している企業は全体の56.8%であり、うち35.5%は「2023年並みの水準の賃上げを想定」と回答した。一方、賃上げを「実施しない」とした企業は15.1%にとどまった。
- 人的資本経営推進のために優先的に掲げている取り組みを尋ねたところ、「女性の活躍推進」(43.3%)「社員のエンゲージメントレベルの把握」(34.7%)、「将来の事業構想を踏まえた人材ポートフォリオの策定、および人材の再配置」(24.9%)を挙げる企業が多かった。
- 人的資本の情報開示に対する直近1年以内のスタンスについては、「法令・告知等で義務化された開示項目のみを開示する」と回答した企業の割合が最も高かった(30.6%)。
- 人的資本経営の推進には、「計画/実行」「可視化」「開示」を網羅的に、かつ連動させながら実施することが有用であるが、いずれに対しても着手できている企業とできていない企業に、ばらつきがあった。
- 定年が65歳であると回答した企業は15.5%に上り、前年調査(2022年)と比較して2.1ポイント増加した。
- 定年延長などを実施済または検討中と回答した企業は50.5%に上り、過半数の企業が定年延長などについて何らかの取り組みや検討を実施していた。
当社と三菱UFJ信託銀行は、「賃上げ」「人的資本経営の推進および情報開示の対応」「定年延長」などに関するアンケート調査を実施した。結果は以下の通りである。
賃上げ
人的資本経営の推進および情報開示の対応
定年延長
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