リーマンショック後の世界経済の潮流
2016年は「想定外」という言葉を何度も耳にする年であった。
たしかに、英国の国民投票におけるEU離脱派の勝利や米国のトランプ大統領の誕生は、これまでの常識から考えると「まさか」という出来事だったかもしれない。
しかし、想定外と言われる出来事であっても、続けて起こるということは、実は想定していなければいけなかったということではないか。
これまでの常識の殻から抜け出さないと先の経済を見通すことは難しく、また想定外の出来事に当惑することになりそうだ。
これまでの常識が通用しなくなる潮流の変化が起きているのではないか。
もう過去のことと思われているリーマンショックが、さまざまな意味で世界経済の潮流の変化をもたらしているように思われる。
その潮流の変化を理解することが、今後の経済を見通すために必要だ。
(1)貿易の伸び悩みとともに減速する世界経済
(2)高齢化社会に転換してきた米国
(3)統合から反統合へ逆回転する欧州
(4)過剰供給力大国としての存在感が増す中国
(5)世界とともに成長できない日本
2017年の世界経済
リーマンショックを境に世界経済の成長は減速している。もっとも、そうした潮流の変化を認識した上で2017年の世界経済を展望すると、底堅い動きが期待できそうだ。
(1)トランプ大統領誕生後も底堅い米国
(2)不安材料を抱えながら緩やかに回復する欧州
(3)経済成長率が下げ止まる中国
2017年の日本経済
世界経済が底堅く推移する中、2017年の日本経済も緩やかながら持ち直しが期待できる。
(1)景気は回復へ
(2)トランプ相場では救われない
(3)原油価格下落のメリットがなくなる
取り組むべき課題
2017年は、世界経済が底堅さを示す。日本経済も回復に転じてくるが、リーマンショック後の長期的な停滞状況から抜け出すのはまだ難しそうだ。
少子高齢化が続き、人口も減少に転じている日本経済において定常状態が続くことは避けられない面もある。
しかし、それでも日本の成長力を高めていくためにできることがあるはずだ。
(1)スリム化戦略からの脱却
(2)保護主義との戦い
・・・(続きは全文紹介をご覧ください)
(当社発行『GLOBAL Angle』 2017.1 より転載)
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