本レポートの位置づけ
- 本レポートは、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2014年6月に実施した「子育て支援策等に関する調査2014」の追加分析の位置づけとなる。当該調査は「未就学児の父母調査」と「中高生調査」の2つから構成されており、本レポートでは、そのうち「未就学児の父母調査」の結果を用いて、父親の育児時間に影響を与える要因分析に取り組んでいる。
- 「子育て支援策等に関する調査2014」の詳細については、以下のページを参照いただきたい。
【プレスリリース】 2014年度子育て支援策等に関する調査結果のお知らせ | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング (murc.jp)
レポート概要
- 女性の社会進出を促し、多様な働き方・生き方が選択できる社会を実現していくためには、男性の家事・育児への関わり方を見直していくことが必要不可欠となる。そのための取組みの一つとして、社会全体で男性の育児休業の取得促進や子育て世代の長時間労働の是正などに取り組んできたが、依然として男性の家事・育児への参加は進んでいない。
- 本レポートでは、特に、“男性の育児”に焦点を当てて、育児時間と「本人の就業環境などの仕事に関わる要素」「本人の考え方や地域とのつながりなどの仕事以外の要素」「配偶者に関わる要素」それぞれとの関係性について分析を行った。分析にあたっては、仕事の影響が強いと考えられる「平日」と、仕事以外の影響が強いと考えられる「休日」とを区別して分析に取り組んでいる。
- 分析結果から、得られた示唆は以下のとおりである。
- 父親の育児時間は、平日・休日ともに母親に比べて短い。仕事がない休日であっても、育児時間が10時間以上となる父親の割合は24.6%にとどまっており、母親(63.2%)との差は大きい。
- 平日の育児時間は父親本人の就業環境に大きく依存する。労働時間や通勤時間が長い場合に育児時間が短くなる一方で、フレックスタイム制や短時間就業などの柔軟な働き方を選択できている場合や自営業等の場合には育児時間が長くなっていた。また、育児休業の取得経験が平日の育児時間にプラスの影響をもたらしていた。
- 休日の育児時間は、父親本人の子育てに対する考え方や地域とのつながりなどとの関わりが深い。子育てに関わりたくない・子どもとの接し方に自信が持てないなど、子育てに対してネガティブな考えを有している場合に育児時間が短くなる一方で、子どもと一緒に家族で楽しみたいなど、子育てに対してポジティブな考えを有している場合には育児時間が長くなっていた。
テーマ・タグから見つける
テーマ・タグから見つける
テーマを選択いただくと、該当するタグが表示され、レポート・コラムを絞り込むことができます。
テーマ
テーマ