越境EC

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越境ECとは、電子商取引(EC)において、消費者と事業者が国境を越えて取引を行うことを指す。

こうした越境ECの市場は拡大しており、その要因は大きく二つ存在する。
一つ目は、事業者側の視点として、便利なプラットフォームや高性能なウェブサイト構築ツールが普及したことから、取り組みが容易になった点。二つ目は、消費者側の視点として、コロナ禍の外出自粛を経て、身近な衣類や化粧品などの日用品を、インターネットを通じて海外から購入する生活スタイルが根付いた点である。
特に二つ目のように、行動変容が生じたという点については、今後の動向を丁寧に追っていくことが重要である。

また、消費者側のメリットとして、個人が輸入する商品(革製品やニットなど一部を除く)の価格が1万6666円以下ならば、消費税や関税がかからないことから、安価に商品を購入できる点が挙げられる。
一方で、越境ECは税制上優遇されているという観点から、経済市場の公平性をゆがめるという指摘も存在する。日本であれば原則として10%の消費税がかかる国内産品が、輸入産品に対して価格競争上不利になるのだ。こうした免税の仕組みは税関の手続きを活発にするためであるが、国内産品メーカーにとってのデメリットについても認識しておく必要がある。

(張 智視)