イングリーディエント・ブランディング

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イングリーディエント(Ingredient)とは「原材料」を意味しており、原材料メーカーや部品メーカー等によるブランディング手法を指す。略称として、インブランディング(InBranding)とも呼ばれる。

最終利用者の段階における原材料・部品に対する需要を創出することによって、中間段階(完成品メーカー・卸売・小売)において、原材料もしくは原材料を利用した製品の購買を促す手法である。
イングリーディエント・ブランディングの代表的な例としては、アメリカ・インテル社の事例が挙げられる。インテル社は、自社のCPUに対する差異化を図るため、最終製品メーカーにインセンティブを付与し、製品に「Intel Inside」(日本では、「インテル入ってる」のキャッチフレーズで有名)というロゴの広告表示を推進した。本取り組みを通じて、最終利用者である消費者におけるブランド価値を高めて市場シェアを確立した。

原材料の直接の取引先以降である取引段階(消費者含む)に対しても、原材料や部品の品質の高さといった優位性を行き届かせる取り組みであるため、原材料自体が差異化されていることや、原材料が最終製品の提供価値において中心的な役割を果たしていること等が本手法の前提となる。
また、本手法が有効に機能するためには、実際に原材料の優位性を示すための取り組みが必要である。たとえば、取引先を招いた工場見学会を実施し、製造プロセスを伝えて品質の高さを示すといった取り組みが挙げられる。

(山田 直人)