遠隔医療

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情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為のこと(厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」より)。
遠隔医療のモデルは利用主体や内容により、以下のように分類される。

■医師―患者間(Doctor to Patient、DtoP)
 ・オンライン診療
 ・オンライン受診勧奨
 ・遠隔健康医療相談(一般的な情報提供等に留まる場合は、医師以外が行うことも可能)

■医師―医師間(Doctor to Doctor、DtoD)
 ・遠隔相談
 ・遠隔画像診断
 ・遠隔病理診断

なお、広義の遠隔医療には、オンライン服薬指導(薬局―患者間)やオンラインリハビリ(セラピスト―患者間)も含まれる。
関連するサービスとして、処方薬のラストワンマイル配送(薬局―患者間)もある。

遠隔医療(広義のものを含む)には、利用者の移動にかかる時間的・金銭的・心理的負担の軽減や、感染症予防といったメリットがある。また、少子高齢化・過疎化に伴い医療アクセスが悪化している地域の住民や、身体機能の低下により外来受診が困難な高齢者等に対する、受診機会の確保が期待されている(参考:無医地区は2019年時点で全国に590地区)。このほかにも、人手不足に悩む医療・介護業界の働き方改革や、疾患の早期発見・治療による医療費抑制といった観点でも注目されている。
ただし、受診場面のなかには触診や医療機器での検査を要する等、遠隔医療に適さないケースもあるため、あくまで対面医療の補助との見方が一般的だ。
現状、遠隔医療の導入医療機関数はコロナ禍の影響もあって増加傾向にあるが、経営資源の限られる小規模病院・診療所では、相対的に導入が遅れている。

(村上 大吉)