BaaS

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Banking as a Service(バンキング・アズ・ア・サービス)の頭文字を取った略称で、「バース」と読む。銀行が提供する機能やサービスを、API(ソフトウエア間で互いに情報をやり取りする際に使用するインタフェースのこと)を介し、クラウドサービスとして提供することを指す。

銀行が提供する機能やサービスとは、為替、預金、融資が主な対象であり、本来ライセンスを持つ事業者のみに許可されるものであった。
しかし、BaaSの活用により、フィンテック系のベンチャー企業や他業種・他業界の銀行以外の事業者でも、APIを利用して銀行システムに接続することで、金融サービスの提供が可能となった。
BaaSに関心が集まった背景には、金融業界に対するデジタル化のニーズ——より具体的には、銀行以外の事業者からの「銀行機能をアプリ等のサービスに実装したい」というニーズの高まりがあった。これにより、銀行の機能や情報を、APIを介して公開する「オープンバンキング」の流れが生まれ、BaaSが注目されることになったのである。
オープンバンキングの流れはイギリス等のヨーロッパで先行して始まり、日本においては、他国に出遅れたものの、2017年の銀行法改正において、2020年5月末までにオープンAPIを実装することが努力義務として課された(新型コロナウイルス感染症の影響により、期限は2020年9月末まで延長された)。
BaaSを略称とする用語として、Blockchain as a Service(ブロックチェーン・アズ・ア・サービス)もあるが、今回は対象外とする。

(吉川 太清)