ファイブフォース分析(5F分析)

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ファイブフォース分析(5F分析)とは、「どういう業界構造が儲かりやすいのか」という問いに対して、5つの力(競合企業/新規参入者/代替品/供給サイド/需要サイド)が自社の利益(あるいは収益や費用)に与える影響を分析するフレームワークを指す。この考え方は、経営学者のマイケル・ポーターにより、著書『競争の戦略』で初めて提唱された。

「どの力が利益率を圧迫しているのか」「自社の収益性に特に影響の大きい因子は何か」といった観点で産業構造を俯瞰し、「今後注視すべき潜在的脅威は何か」というアクションを考えることで、実戦的な分析結果を得られる。

この分析で注意したいのが市場定義である。たとえば、「鉄鋼業界」という市場の企業として、ビジネスモデルが異なる高炉メーカーと電炉メーカーを混在させると、ざっくりとした分析で終わりがちだ。そこで、鉄鉱石を輸入・加工する装置産業の高炉メーカーと、都市圏から排出される屑鉄を溶かして再製品化する電炉メーカーを分けて分析することにより、サプライチェーン等の構造が利益に与える影響をより明確化できる。

(本間 貴之)