パブリック・ベネフィット・コーポレーション

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パブリック・ベネフィット・コーポレーション(Public Benefit Corporation、以下PBC)はベネフィット・コーポレーションとも呼ばれるアメリカの企業形態のひとつで、公共利益を重視し、社会貢献を目的に置いた法人格とされる。
PBCの法人格取得には、企業の定款上で、低所得者へのサービス提供、環境保全、健康増進、文化・芸術・科学の振興といった特定公益の便益を規定することが求められる。また、これらの必要な活動に関する説明責任を果たさなければならない。

PBCは、2010年に初めてメリーランド州で法制化された(アメリカ会社法は州単位で制定される)。その後導入する州は増え、2022年現在は30州以上で制定されている。こうした背景には、サステナビリティ経営や企業の存在意義(パーパス)といった考え方が浸透する中、利益追求を第一とする株式会社のような企業形態では、経営判断のバランスが取れなくなってきたことがある。
またPBCとは別に、公益性を重視した企業が取得できる国際認証制度として、B Corp(Bコープ、B Corporation)がある。認証試験を経て得られるため、公益重視型企業としての対外的な信用を得るうえで有効な認証といえる。

日本でも、2022年4月28日、岸田内閣が推進する「新しい資本主義実現会議」において、日本版PBCの導入に向けた議論が行われた。NPO、財団・社団といった公共利益を追求する既存の法人形態との線引きを含め、民間の公的役割に関する議論の重要性が高まっている。

(渡邉 睦)