類似会社比較(マルチプル)法

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マーケットアプローチに分類される、企業価値を算定するための評価手法のひとつ。簡便性から幅広く使用されている評価手法で、非上場会社の企業価値を算定する際にも有効的である。
類似会社比較法は、一般的に以下のステップにて評価対象企業の企業価値を算定する。

(1)対象企業に類似する上場会社の時価総額または事業価値を、税引後純利益、簿価純資産、EBIT(利払前・税引前利益)などの財務数値で割る(除算)ことで、「評価倍率」を算出する。
(2)算出した「評価倍率」に対して、対象企業の純利益または簿価純資産を掛ける(乗算)ことで、「株式価値(または事業価値)」を算出する。

時価総額など、市場で評価・形成された財務数値を起点として企業価値を算出するため、客観性の高い評価手法である。

類似会社比較法で使用される「評価倍率」は複数あり、以下が代表的な例となる。

■時価総額に対する「評価倍率」

■事業価値に対する「評価倍率」

企業価値を算定するほかの手法としては、以下のようなものが存在する。

●インカムアプローチ:収益還元法、APV法
●マーケットアプローチ:類似会社比較法、株式市価法、類似取引比準法
●コストアプローチ:修正純資産法