CCUS

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Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(カーボン ダイオクサイド キャプチャー ユーティリゼイション アンド ストレージ)の大文字部分の頭文字をつなげた略語であり、シーシーユーエスと読む。工場等からの排出された二酸化炭素を分離・回収し、資源として作物生産や化学製品の製造として再利用する技術であるCCU(Carbon Capture and Utilization)と、地下の安定した地層の中に固定化・貯留する技術であるCCS(Carbon Capture and Storage)の総称。

2020年から本格的な運用が開始されたパリ協定を受け、各国がカーボンニュートラル目標を掲げていく中、あらゆる産業・業種において二酸化炭素排出量の削減対策が求められるようになってきており、二酸化炭素排出量を大幅に抑制するCCUSへの期待が高まっている。
CCUについては、回収された二酸化炭素を資源とし、化石燃料由来の原料・燃料を代替する事で創出される二酸化炭素排出削減効果が期待されている。また、CCSについては、これまで二酸化炭素排出削減が困難とされていたセメント・鉄鋼・化学等、産業プロセス由来の二酸化炭素排出や高温の熱を必要とする産業や、火力発電所における重要な二酸化炭素排出削減対策として注目されている。

2012年から北海道・苫小牧でCCSの大規模な実証実験が実施されている。2016年度から港内の海底の下に二酸化炭素を高い圧力で貯留する作業を開始。製油所から供給された排気ガスの中から二酸化炭素を分離し、海底の深くに掘った井戸に埋め込む計画で、2019年11月22日に二酸化炭素圧入量が目標の30万トンに達した(現在は圧入を停止し、モニタリングが行われている)。この実証実験によって操業技術の獲得や安全性の実証資料が得られ、技術の実用化への寄与が期待されている。

(能登 優)