資源ナショナリズム

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資源ナショナリズムとは、自国に存在する資源は自国で管理・開発すべきであるという政治思想・運動で、具体的には、自国の資源を囲い込む動き、多国籍企業や先進工業国による資源の乱掘・利益独占に対抗する動きなどを指す。

世界各国での資源ナショナリズムは、以下のように大きく三つのケースに分類される。

  • (1) 自国や地域の経済発展
    自国・地域を経済発展させる目的で、資源の高付加価値化が行われる。鉱石などの原料輸出規制、ローカルコンテントの義務化、輸出税の設定などの方法が挙げられる。
  • (2) 鉱業からの歳入拡大
    鉱業からの歳入は、国内で大きな災害が発生した際の復興財源、鉱業活動が盛んな地域経済の発展に使われる。鉱業特別税、鉱業ロイヤルティの引き上げや、超過利潤税の導入などの方法がある。
  • (3) 資源権益の拡大
    世界での自国の立ち位置強化を目的に、国が権益を拡大させる。鉱山の国有化、外資の制限、政府や公社による権益取得または権益比率の引き上げといった方法が挙げられる。

2023年現在では、世界情勢を揺るがす米中対立において、外交の手段として資源が利用されているほか、中南米や東南アジアの資源保有国における資源ナショナリズムが顕在化している。この対象となる希少資源は、昨今注目を集める脱炭素技術には不可欠な原料であり、カーボンニュートラル実現に向けて、資源ナショナリズムは足かせとなる。そのため、国際社会は資源保有国に対して輸出規制の解除などの呼びかけを行っているが、十分な成果は出ておらず、今後は資源保有国も納得できるような調整が求められるだろう。

(遠藤 大介)