DEレシオ

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Debt Equity Ratio(デット・エクイティ・レシオ)の頭文字を取った略称であり、負債資本倍率を指す。

企業の資金源泉のうち、返済義務のある有利子負債が返済義務のない自己資本の何倍に当たるかを示す数値で、企業財務の健全性を計る指標のひとつである。
長期の支払い能力を表し、大企業による社債の格付けや、金融機関からの融資条件の決定に利用されることもある。
数値が低いほど財務内容が健全と考えられ、数値を低下させるには、有利子負債の削減か、利益拡大による内部留保の積み増しが必要となる。

一般的に、DEレシオが1倍を下回ると健全な財務とされるが、どのくらいの数値が適正かということについては、業種、市場環境、市場でのポジショニング等、さまざまな観点から考える必要がある。
たとえば、鉄道業界等の継続的な現金収入が見込める業種については、自己資本調達時のコストに対して負債にかかる利息が小さい場合、積極的な負債による資金調達範囲の方がより広いと考えられる。
一方、医薬品開発等の長期投資が成果に結びつかない可能性が他業種より高い業種については、外部からの借入金(返済義務あり)の比率が高い場合、返済不可となるリスクが高いということになる。
つまり、企業の適切なDEレシオは低いほど良いというものではなく、リスク・リターンを念頭に置いたうえで、業界平均や市場状況等を考慮し、中長期の資金計画を策定してから、適切な資本構成を決める必要がある。

(能登 優)