都市鉱山

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都市鉱山とは、スマートフォンや家電製品等の廃棄物中に含まれる有価金属を鉱山に見立てて表現したもので、東北大学選鉱製錬研究所の南條道夫教授らによって提唱された概念である。
環境汚染・資源枯渇が重要な問題となっているなか、このような資源をリサイクル・循環活用することは、サーキュラーエコノミーへの取り組みのひとつと位置づけられている。また、昨今では地政学リスクを鑑み、都市鉱山からの資源回収において国家間でも連携の動きがあり、都市鉱山の活用は資源確保のための政策のひとつとしても重要視されている。

都市鉱山からの資源リサイクルは、主に下記のプロセスで進められる。

(1) 回収:廃棄製品を処理場へ移動し、処理量を確保する。
(2) 解体:金属資源を取り出し可能な状態にする。
(3) 分離:不純物・不要物質の減量・除去を行う。
(4) 再生:目的金属を抽出し、素材化する。

都市鉱山リサイクルは、現状では元の製品より付加価値の低いスラグやセメント等の状態で活用する「カスケードリサイクル」だ。そのため、元の製品から原料と同等の純金属を回収する「水平リサイクル」への研究開発が進められている。

(遠藤 大介)