独自調査「ライフシフトリサーチ」を実施画像を用いたコミュニケーション×口コミ重視の「共感型センサリー」タイプは スマホ世代でバブル世代の8倍に
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:村林 聡)は、国内の生活者を対象とした独自調査「ライフシフトリサーチ」を実施しました。このほど、その調査結果がまとまりましたので、概要を発表いたします。
ライフシフトリサーチは、全国の20歳~69歳を対象としたWebアンケートで、2020年12月28日(月)~2021年1月3日(日)に実施し、計10,000名の回答を得ました。
趣旨
現在、社会全体のデジタライゼーションが進むとともに、新型コロナウイルスによって、生活者を取り巻く環境は大きく変化しています。本調査は、生活に対する価値観や意識、志向や行動について調査することで、社会変革が進む中で起きている生活者の価値観や行動の変化を把握することを目的としています。
調査項目
ライフシフトリサーチでは下記の項目について調査しました。
- I.生活への満足感・期待/不安
- – 現在の生活に対する満足感・その理由
- II.生活全般に対する価値観
- – 家族・人間関係、就業、お金、健康・食、居住・環境、社会貢献、趣味余暇、移動
- III.消費に対する価値観
- – 買い物に対する考え方、積極的に投資したい費目、利便性向上に対する意識
- IV.消費行動
- – 情報取得時の行動
- – 購買時の行動
- – 購買後の行動
- – デジタルメディアの利用実態
- – プライバシー・情報セキュリティ
結果概要
- (1) コミュニケーション方法と態度に変化の蠢動が見られる
ライフシフトリサーチでは、「画像によるコミュニケーションへの積極性(下記マトリクスのタテ軸)」と「商品購入時のレコメンド・口コミの重視度(同ヨコ軸)」で生活者を4種のコミュニケーションタイプに分類し、世代による変化を考察しました。
その結果、画像を用いた感覚的(センサリー)なコミュニケーションに積極的で、レコメンドや口コミを元に消費を行う「共感型センサリー」と銘じたセグメントが、スマホ世代を中心に台頭してきていることが分かりました。
本調査から分かったコミュニケーションタイプとその傾向
【世代の定義】※1
名称 特徴 出生年 (現在の年齢) スマホ世代 携帯デビューが最初からスマホ 1996~2001 (20~26歳) ガラケー世代 携帯デビューはガラケー中心 1981~1995 (27~40歳) 団塊ジュニア世代
(ポスト団塊ジュニア世代含む)学生~社会人時代にPHS・ポケベル 1971~1980 (41~50歳) バブル世代 社会人になって、携帯電話第一世代登場 1960~1970 (51~61歳) ポスト団塊世代 中高年になって、携帯電話を所有 1952~1959 (62~69歳) - ① 共感型センサリー(右上セグメント)
画像を用いた感覚的(センサリー)なコミュニケーションに積極的で、レコメンド・口コミを元に消費を行うタイプ。スマホ世代で15.2%を占め、この世代がInstagramを始めとした画像主体SNSを積極的に利用している背景からも、新しいコミュニケーションタイプとして定着しつつあると捉えています。 - ② 自立型センサリー(左上セグメント)
画像主体コミュニケーションに積極的だが、レコメンド・口コミを重視しないタイプ。各世代においてマイノリティだが、若い世代ほど構成比は高まっており、注目すべきセグメントです。 - ③ 自立型テキスター(左下セグメント)
テキスト主体のコミュニケーションを取り、レコメンド・口コミも重視しないタイプ。インターネットをメディアの延長線上として使っていると考えられます。 - ④ 共感型テキスター(右下セグメント)
レコメンド・口コミを重視しつつも、画像ではなく、テキスト主体のコミュニケーションを取るタイプ。各世代のマジョリティで、FacebookやTwitter、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の普及期からのメインユーザーである団塊ジュニア世代とその前後の世代では特に高く約60%を占めています。
- (2)コミュニケーションタイプによって消費価値観や消費行動に違いが見られる
購買における志向や行動、余暇活動の目的、外出先の選び方といった観点において、コミュニケーションタイプごとに異なる特徴がみられます。特に、共感型センサリーは、Web上で画像情報の多い商材(レジャー・旅行、趣味・レクリエーション、美容品・化粧品、アパレル・衣料品)において、オンライン購入化が進んでいます。さらに、購買におけるコト消費を重視し、モノの所有よりもサブスク消費を志向する傾向がみられます。また、外出に対して意欲的であるが、行き先は周囲の人間に委ねがちであり、他者の声を意識した行動を取りやすいことが分かりました。※2
今後、企業のマーケティング活動や商品・サービス開発においても、コミュニケーションタイプを意識した取り組みを進めていく必要があると考えます。
本調査の分析から、今後、「共感型センサリー」が増加し、市場トレンドへの影響力も高まっていくと推察しています。参考資料「【調査結果概要】新コミュニケーションタイプ『共感型センサリー』の価値観・行動の特徴」では、調査結果から「共感型センサリー」の価値観、消費行動における特徴を紹介します。
※1 スマホ世代、ガラケー世代は、各世代が10代後半期に主流であった携帯電話端末タイプから分類した。また、本調査の対象が、20~69歳のため、上記のような出生年の設定とした。
※2 共感型センサリーの特徴については、参考資料「【調査結果概要】新コミュニケーションタイプ『共感型センサリー』の価値観・行動の特徴」参照本件に関するお問い合わせ
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コンサルティング事業本部 戦略コンサルティング部|渡邉 長田
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