2020年度東海3県集客施設・集客実態調査の結果を公表新型コロナウイルス流行に伴う営業縮小や人々の活動自粛により9割を超える施設で集客数減少、 密を避ける生活スタイルの浸透でレジャーも屋外の志向に

2021/06/10

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:村林 聡)は、「2020年度東海3県主要集客施設・集客実態調査」の結果をとりまとめましたので、お知らせいたします。

1.本調査について

本調査は、東海3県(愛知、岐阜、三重)の集客施設における集客実態を把握するため、毎年実施しているものです。今回は2021年5月に調査を実施し、2020年度の集客実態について78施設から回答がありました。
調査にあたっては、新型コロナウイルス感染症流行(以下、新型コロナ)の影響を鑑み、年度を3つの期間(①20年4月~5月、②20年6月~12月、③21年1月~3月)に分けて集客状況を把握し、分析しました。

2.調査結果の要旨

(1) 集客数上位施設について

上位5施設の集客状況は下表の通りとなりました。

施設名
(所在地)
集客数
(対前年度比)
結果分析
1 ナガシマリゾート
(三重県桑名市)
997万人※1
(35.7%減)
15年連続で首位。新型コロナによる人々の活動自粛が影響し、特に3世代家族の来訪者が減少。
2 刈谷ハイウェイオアシス
(愛知県刈谷市)
約531万人
(34.5%減)
新型コロナに伴う営業範囲の縮小や県をまたぐ移動自粛、団体旅行の減少等が影響した。
3 河川環境楽園
(岐阜県各務原市)
約286万人
(38.3%減)
新型コロナによる人々の活動自粛、臨時閉園や夜間イベント中止に伴う営業時間短縮(夜間開園の中止)等が影響した。
4 中部国際空港セントレア
(愛知県常滑市)
約238万人
(71.9%減)
航空旅客に付帯する来港者(送迎者等)の減少が、集客減に影響。イベント中止や店舗の営業時間短縮・休業、隣接する愛知県国際展示場Aichi Sky Expoのイベント開催制限等も集客減の要因となった。
5 JAあぐりタウンげんきの郷
(愛知県大府市)
約225万人
(7.6%減)
緊急事態宣言による一部施設の休業等が集客減の要因となった。一方、外出自粛によって家庭での食事機会が増えたことによる、農産物をはじめとした食料品購買需要の高まりや、地元行政による商品券配布等が集客に好影響を与えた。

(2) 対前年度増減率の傾向について

対前年度比では、76施設※2中74施設(97.4%)が減少し、増加したのは2施設(2.6%)のみでした。新型コロナによる営業範囲の縮小(営業日数、営業時間、営業エリア等)や人々の活動自粛が集客減に影響したと考えられます。増加率1位は、「東三河ふるさと公園」(愛知県豊川市)、2位は「豊田市鞍ケ池公園」(愛知県豊田市)で、新型コロナによって余暇の過ごし方が限定される中、身近で密を避けながら過ごすことができる屋外空間として選ばれたとみられます。

(3) 新型コロナがもたらした影響、旅行スタイル・レジャー行動の変化について

新型コロナがもたらした東海3県の集客施設への影響や人々の旅行スタイル・レジャー行動に見られる変化として以下に挙げる傾向がみられました。
■ 従来、団体客の利用が多かった施設では、団体旅行の減少が顕著に
■ 従来、訪日外国人旅行者の占める割合が高かった施設では、海外からの渡航制限が打撃に
■ 修学旅行の中止・延期は約6割の施設で集客に悪影響
■ 家での食事機会増加によって産直施設へのニーズが高まる
■ 密を避けられる屋外が選ばれる傾向が明確に
■ 移動自粛によりレジャーは近場で楽しむ傾向にシフト
■ SNSでの情報発信の重要性がより一層高まる
調査結果の詳細につきましては、当社ホームページ掲載の政策研究レポートをご覧下さい。
https://www.murc.jp/library/report/seiken_210610/
※1 「ナガシマリゾート」は年度値(2020年4月~2021年3月)ではなく、年間値(2020年1月~12月)
※2 前年度の数値と比較可能な施設

本件に関するお問い合わせ

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名古屋研究開発部 研究員  加藤、内田
〒461-8516 名古屋市東区葵1-19-30 マザックアートプラザ

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