令和4年度 老人保健健康増進等事業の実施について

2022/06/27

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:池田 雅一)は、厚生労働省より令和4年度老人保健健康増進等事業の採択を受け、以下の事業を実施することになりましたので、お知らせいたします。

各事業の概要

【テーマ番号:5】介護保険事業計画の手引き作成に資する調査研究事業

本事業では、第9期介護保険事業計画期間に向け、計画作成プロセスについて具体的に整理するとともに、PDCAサイクルによる取組推進のプロセスや例示を包括的に整理した手引きを作成し、保険者における地域包括ケアシステムの深化、推進に資することを目的とする。

具体的には、過去に厚生労働省から示している「介護保険事業(支援)計画の進捗管理の手引き」など、各種手引き等の内容を踏まえた上で、各市町村が策定している第8期介護保険事業計画の構成や記載内容の分析、各都道府県及び市町村へのヒアリング等を実施し、PDCAサイクルの実効性の確保に資する計画の手引きを作成する。

【テーマ番号:6】介護保険事業計画の作成に資する調査結果等の活用方法に関する調査研究事業

第9期介護保険事業計画に向けて令和4年度に保険者が実施する在宅介護実態調査について、概況調査に追加された有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の利用状況に応じた分析ができるよう、データを収集したうえで分析方法を検討し、保険者の分析を支援するための分析ツール(認定ソフトの改定を踏まえたもの)を開発する。

また、介護予防・日常生活圏域ニーズ調査については、保険者における活用状況を把握した上で、計画作成や進捗管理に当たっての活用方法について検討する。

併せて、実施を推奨している在宅生活改善調査、居所変更実態調査、介護人材実態調査や計画の作成に活用できるデータの保険者における活用状況を把握した上で、分析方法や施策への反映方法を検討する。

【テーマ番号:14】地域包括支援センターの事業評価を通じた取組改善と評価指標のあり方に関する調査研究

地域包括支援センターの事業評価を通じた機能強化については、「地域包括支援センターの事業評価を通じた機能強化について(通知)」(平成30年7月4日老振発0704 第1号厚生労働省老健局振興課長通知)により取り扱われている。本事業では、「地域包括支援センターの機能強化・業務負担の軽減」「総合事業における介護予防ケアマネジメントの簡素化・標準化」の政策課題に対し、総合相談支援業務の標準化のための基礎データ収集と標準化の結果を業務に活かすための方策の検討、総合事業のサービス種別ごとの利用者像を踏まえた介護予防ケアマネジメントの簡素化・標準化のための方策の検討を行う。

【テーマ番号:47】通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護における効果的な機能訓練のあり方に関する調査研究事業

通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護では、令和3年度報酬改定において、利用者の自立支援・重度化防止等に資する機能訓練の提供に資するよう、個別機能訓練加算、生活機能向上連携加算の見直しを行った。本事業では、通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護事業所での同加算の目的に即した取組を促進するため、以下について実施する。(※認知症対応型通所介護については、生活機能向上連携加算に係るものを実施することとする。)

① 改定後の個別機能訓練加算・生活機能向上連携加算の算定状況、算定にあたっての課題、利用者への影響等を把握するため、通所介護等事業所やその利用者・家族に対するアンケートを行う。

② 個別機能訓練加算について、加算の目的(利用者の心身の状況や生活課題に応じて、身体機能向上・生活機能向上を目的とする機能訓練を柔軟に実施)に即した取組を促進すべく、目的を踏まえた個別機能訓練を実施している事業所に対し、個別機能訓練計画書の内容(個別機能訓練目標や項目の設定方法等)、実際の事例に則した個別機能訓練による効果等に係るヒアリングを行う。

③ 生活機能向上連携加算について、加算の目的(外部のリハビリテーション事業所からの助言により利用者の心身の状況や生活課題に応じた機能訓練を実施)に即した取組を促進すべく、加算を取得している事業所に対し、外部のリハビリテーション事業所との連携方法や実際の事例に則した連携による効果等に係るヒアリングを行う。

④ 上記調査を踏まえ、両加算算定の目的、効果的な機能訓練の方法、実際の事例に則した機能訓練の効果等を記載したマニュアルを作成する。

⑤ ①~④による成果を報告書にまとめ、通所介護等事業所に周知する。

【テーマ番号:48】短期入所生活介護における効果的なサービス提供のあり方に関する調査研究事業

短期入所生活介護については、令和3年度介護報酬改定において、看護職員の配置基準の見直しを行った。また、短期入所生活介護を長期にわたって提供する、いわゆる「ロングショート」を行っている事業所もあること等をふまえ、短期入所生活介護が果たすべき役割について今一度整理を行う必要があると考えられることから、以下について実施する。

① 看護職員の配置基準の見直しに関し、見直しに伴う看護職員の確保状況、確保にあたっての課題、サービス提供に与える影響、職員の働き方や労働環境等を把握するため、短期入所生活介護事業所に対するアンケート調査を実施する。

② いわゆる「ロングショート」の実態を把握するため、短期入所生活介護の提供状況・利用理由等について、短期入所生活介護事業所に対するアンケート調査を実施する。また、短期入所生活介護を長期にわたり利用することが必要と判断した理由等について、介護支援専門員に対するアンケート調査を実施する。

③ 短期入所生活介護が果たすべき役割を整理する観点から、類似する機能をもつサービス(小規模多機能型居宅介護、短期入所療養介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設等)との比較や、都道府県・指定都市・中核市における整備方針の把握を行うため、都道府県等に対するアンケート調査を実施する。

④ ②③をふまえ、短期入所生活介護の効果的なサービス提供のあり方を検討する。

⑤ ①②③④による成果を報告書にまとめ、都道府県・市町村に周知する。

①②については、必要に応じて、アンケート調査に加えてヒアリング調査も実施する。

【テーマ番号:49】今後の共生型サービスの整備方針に関する調査研究事業

共生型サービスは、福祉ニーズの多様化・複雑化への対応、地域の実情に応じた介護保険サービス・障害福祉サービスの整備・人材確保、いわゆる65歳問題への対応といった様々な課題を解決することを目的として、平成30年度に介護保険サービス・障害福祉サービスの一類型として位置付けられたが、今後の更なる普及を促進するため、以下を実施する。

① 主に共生型サービスの整備が進んでいない都道府県・市町村に対し、整備が進まない理由や今後の整備についての考え方等を把握するため、ヒアリング調査を実施する。また、共生型サービスの整備に積極的に取組んでいる都道府県・市町村に対しても、整備に取組むにあたっての地域ニーズの把握方法や共生型サービスに関心がある事業所へのアプローチ方法、サービス開始後の事業所支援策等を把握するため、ヒアリング調査を実施する。

② 共生型サービスの整備に対する事業者の考え方、共生型サービスに対する利用者・家族のニーズを把握するため、関係団体へのヒアリング調査を実施する。

③ ①②の結果や、令和元年度・2年度に実施した共生型サービスに関する老人保健健康増進事業、障害者総合福祉推進事業等により明らかとなった、整備にあたっての課題及び解決策等をふまえ、国・自治体・事業所等が実施すべきことを整理し、ロードマップを作成する。

④ ①②③による成果を報告書にまとめ、都道府県・市町村、関係団体等に周知する。

【テーマ番号:66】介護予防・日常生活支援総合事業等に基づく移動支援の推進に関する調査研究

地域における高齢者の移動ニーズは高く、介護予防・日常生活支援総合事業における移動支援等への期待は高いものの、移動支援の取組については、交通、福祉、地域住民等複数の関係者との調整や道路運送法、介護保険法といった複数の法律が関係しており、移動支援の取組が進みにくい要因となっている。

移動支援サービスの検討については、多くの自治体が課題と認識している一方で、支援をできる人材は非常に限られている状況。

本事業では、各自治体の状況にあった取組事例について情報提供することや、初度の課題解決から自治体同士のつながりによる取組の推進が可能となるよう、支援ツールを開発するとともに、支援ツールの開発を通じて市町村支援を行う人材を都道府県等で育成する。

【テーマ番号:81】自宅や介護保険施設等における要介護高齢者の急変時対応の負担軽減および円滑化するための調査研究事業

令和3年度介護報酬改定において、看取りへの対応の充実や、医療と介護の連携の推進が図られており、看取り期の本人・家族との十分な話し合いや関係者との連携を一層充実させる観点から、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等に沿った取組を行うことが求められている。

本人の意思に沿った急変時の対応や看取りが行われるために、居宅サービス事業所や介護保険施設等でガイドラインを踏まえた対応や急変時等の搬送手順等について事前に検討し、関係者と調整を行うことが出来る体制をあらかじめ整備しておく必要がある。

本事業では、有識者による検討会を開催の上、自宅や介護保険施設等における要介護高齢者の急変時対応について、居宅サービス事業所、介護保険施設、消防本部等へのアンケートやヒアリングにより実態を調査するとともに、事前に行うべき調整事項や搬送時の対応等をまとめた手引きの作成を目的とする。

【テーマ番号:108】外国人介護人材の介護福祉士取得に向けた調査研究事業

特定技能制度施行から3年経過し、在留者数が増加しており、今後、技能実習から特定技能への移行も増えることが見込まれる中で、今後も引き続き日本で就労し活躍し続けることを希望する者も多く、介護事業者側も長期にわたる就労を望んでいる現状がある一方で、技能実習制度及び特定技能制度の在留期間は最長5年となっている。引き続き、日本での就労を望む技能実習生や特定技能外国人については、現行、介護福祉士国家資格を取得し、在留資格「介護」の資格に移行する必要がある。しかし、資格取得までの具体的な道筋や学習支援の手法などが明確ではなく、介護事業者から、どのように支援をしてよいか分からないという声がある。

このため、外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得に関する現状と課題、外国人介護人材のキャリア支援のあり方等について、関係団体等からヒアリングを行うとともに、有識者等により構成される検討委員会において議論を行い、報告書にまとめる。

【テーマ番号:113】文書負担軽減や手続きの効率化等による介護現場の業務負担軽減に関する調査研究事業

令和3年度の介護報酬改定では、利用者への説明・同意等に係る見直しや記録の保存等に係る見直し等を行った。また、令和3年度介護報酬改定に関する審議報告では、今後の課題として、現場の実態等も踏まえながら、介護現場の業務負担軽減の観点から、更なる文書負担の軽減や手続きの効率化等について、引き続き検討していくべきといった内容が明記されたところである。

このため、本調査研究事業では、

① 令和3年度介護報酬における利用者への説明・同意等に係る見直しや記録の保存等に係る見直し等による業務負担軽減の効果検証

② 更なる文書負担の軽減や手続きの効率化等の検討

③ 介護分野におけるローカルルールの実態把握

等を行い、報告書をまとめる。

【テーマ番号:134】移動支援等の地域包括ケアの推進に向けた制度横断的取組に関する調査研究

東海北陸厚生局管内において、移動支援や農福連携等に関して制度横断的な取組を効果的に実施している自治体や、関係団体、連携する事業者等へヒアリングを実施するとともに、利用者や担当者等の関係者へのアンケート等を実施し、取組事例の収集・整理と、効果・課題に関する調査研究を行う。

新たにこうした取組を実施する管内自治体担当者が実務を行う上で有効な留意すべき事項など整理した実務マニュアルを含む報告書を取りまとめ、セミナー等の実施を通じて取組が進んでいない自治体等への普及啓発を進める。

本件に関するお問い合わせ

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
コーポレート・コミュニケーション室 廣瀬・竹澤
E-mail : info@murc.jp