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変化の時代に“組織を強くするカイゼン”の進め方①

~これからのカイゼンに求められること~

2021/07/09
浅井 太郎

カイゼンは世界でも「KAIZEN」として知られ、日本企業の強みと考えられています。実際に我が国の高度成長期、手ごろな価格で良いものを大量供給することがビジネスの勝ちパターンであった時代には、一人ひとりが仕事の効率化や不良撲滅に徹底して取り組むカイゼンが盛んに行われました。しかしその後、GAFAと呼ばれる新しい技術サービス企業の台頭や、ドイツで生まれたインダストリー4.0など海外発祥のモノづくり思想が広まり、日本らしさを活かしたカイゼンが影を潜めているように感じられます。

そのような状況のなか本コラムでは、変化の時代に求められる“組織を強くするカイゼン”の進め方について、その考え方とポイントをご紹介します。

組織を強くするカイゼンに求められる5つの視点

これまで長く続いてきたカイゼンでは、身近な仕事の中にある不都合を取り除き、ムリ、ムラ、ムダをなくしていくことに主眼が置かれていました。しかし社会や市場が成熟するなか、組織をより強くしていくためには、「自社の仕事の中でも真の価値は何かを明らかにして、その質を高めること」や「新しいビジネスをつくり出すこと」もカイゼンの重要な対象として位置づけていかなければなりません。

このため「これからのカイゼン」では、自社のビジネスや仕事が提供できる価値を見つけることが起点になります。実際に取り組みを行う場合には、次のような視点に注意するとよいでしょう。

視点 これからのカイゼンに求められること
不可から付加へ 不都合の除去だけでなく、新たに価値を生むことを考える
大きなことも 目の前、身の回りだけでなく、組織全体や社会に目を向ける
問題づくり 着眼と仮説により解決すべき課題を見つけることを重視する
分業から協働へ 組織の所属や立場にとらわれないチームによる取り組み
変化と成長 結果だけを求めるのではなく、取り組みの過程から学ぶ

カイゼンに必要な“気づき”を得るためには

先に述べた5つの視点のうち、特に重要な「問題づくり」について見ていきましょう。カイゼンは、問題づくり(テーマ設定)と問題解決(変化の実現)によって進みます。多様な顧客ニーズに対応し業務の高度化が進むなか、新たな価値を生むためには従来とは違った視点から課題を見つけることが大切になります。問題づくりとは、自身の気づきを活かして何かに着眼し、これまでの見方を崩して仮説をつくり、他とは異なる視点により構想することで解決すべきテーマを見つけることです。

図  流れ

何かに着眼するには、気づきが必要です。気づきには、関心がないものは見えない、過去からの自身の経験に制約を受ける、曖昧ですぐに忘れてしまう、などの特徴があり、個人によって気づきの量にも質にも大きな差が生まれます。気づく力を高めるためには、気づくことへの阻害要因を取り除くよう日常生活の中で意識的に行動することが有効です。例えば以下のような対策が考えられます。

阻害要因 対策
異なるものが受け入れらない
感受性の不足
周りの人の話をいつも肯定的な姿勢で聞く
新しいモノやおもしろい事を話題にする
夢がない
悲観的
本音で夢を語る機会を作る
ビジョンや方針を多くの人と一緒に考える
マンネリ、思い込み
おごり、他責の考え
仕事の内容や役割を定期的に変えてみる
自分とは立場が異なる人に何かを任せてみる
他者(社)から学ばない
他分野の考え方を使えない
目的を持って自分が外に出る、外から人を招く
ベンチマークとなる組織を探し参考にする
粘りがない、すぐに諦める
心身の不調
信念を持ち目標を共有できる仲間をつくる
健康に配慮し、仕事以外の時間も充実させる

まとめ

カイゼンを高度成長期に見られた作業現場での地道な活動として狭く捉えるのではなく、自社のビジネス価値を高め、組織風土を築く基盤として位置づけて進めることが必要です。そうすることで、カイゼンが変化の時代において未来に継続発展する強い組織づくりの取り組みとなります。次のコラムでは、カイゼンを通じた組織風土づくりについてご説明します。

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三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
コンサルティング事業本部

経営コンサルティング第2部
シニアコンサルタント
浅井 太郎

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