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中堅中小企業の事業承継M&Aにおいて、売り手が準備しておくべき3つのこと

2021/08/24
中井 達也

経済産業省が2020年に「中小M&Aガイドライン1」、2021年に「中小M&A推進計画2」を策定するなど、中堅中小企業の事業承継において、M&Aという選択肢が一般化しつつあります。買い手企業やM&A関連事業者の増加もあり、中堅中小企業でもM&Aの機会が以前より増えています。一方で、希望通りに売却を進めるにはさまざまなハードルがあり、事前の入念な準備が欠かせません。特に中堅中小企業の事業承継M&Aにおいては、事前準備ができていないために損失が発生してしまう事例や、検討が中止になってしまう事例が少なくありません。
本コラムでは、事業承継M&Aに向けて、売り手が事前に準備しておくべき3つのポイントを解説します。

1.定量的な事業計画を策定する

一つ目は、事業計画を定量的に策定しておくことです。 買い手企業が買収を検討する際、貸借対照表や損益計算書の実績値を見るだけではなく、将来の事業計画を踏まえて買収の是非を検討します。そこでは、事業計画をもとにした企業価値評価を行うことが一般的です。事業計画がきちんと整備されていると、買い手企業の検討がスムーズに進み、売却価格アップにつながることもあります。そのため、できる限り定量的に、かつ根拠をはっきり示す形で、事業計画を策定しておくことが望ましいと言えます。

2.企業価値の考え方を理解する

二つ目は、企業価値に関する考え方を理解しておくことです。 M&Aにおける企業価値は、実績値をもとに算出する相続税評価の方法と異なり、上述した事業計画等も踏まえて算出されることが多くあります。この基本的な考え方を押さえておかないと、自社の価値を過少に見積もることになり、高く売却できるチャンスを逃してしまうかもしれません。他方で過大に見積もり、期待をしてしまうと、買い手が見つかりにくくなってしまいます。
過少・過大な期待を避け、納得した価格で売却ができるよう、このM&Aにおける企業価値の考え方を理解しておくことが肝要です。

3.内部管理体制を整備する

三つ目は、会計・税務や株式、契約、人事労務などの内部管理体制を整えておくことです。 M&Aの検討が進むと、買い手企業は弁護士や会計士などの専門家を起用し、デュー・ディリジェンスと呼ばれる詳細な調査を行います。中堅中小企業、特にオーナー企業では、このデュー・ディリジェンスの際にさまざまな内部管理体制の不備を指摘されることが多く、それを理由に売却価格の減額や不利な契約条件を提示されたり、最悪の場合には検討の中止にさえつながることがあります。
このような事態を避けるためには、デュー・ディリジェンスで指摘されやすい項目を中心に、あらかじめ是正措置を講じておくことが有効です。

さいごに

本コラムでは代表的な3つのポイントのみを示しました。しかし、実際に事業承継M&Aを進めるうえでは、このほかにもさまざまな留意すべき点があります。三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは、M&Aを含む、事業承継に向けた各種準備の支援を行っております。ご検討の際はぜひご相談ください。

コンサルティングや各種サービスについては、
こちらからお問い合わせください。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
コンサルティング事業本部

1 https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200331001/20200331001.html(経済産業省 「中小M&Aガイドライン」 2020年)
2https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210430012/20210430012.html(経済産業省 「中小M&A推進計画」 2021年)
コーポレートアドバイザリー部
チーフコンサルタント
中井 達也

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