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デジタル行動変容

パーソナライズを支えるエクスペリエンス・データデザイン

2021/08/25
黒田 由加

行動変容とは、「習慣化した行動を変え自分や社会にとってより望ましい行動を自発的に選択すること」です。また、特定の目的のために、外部から働きかけて行動変容を促すことを「介入」といいます。近年、特にヘルスケアや公共政策の分野では、行動経済学や社会科学から得られる洞察である「行動インサイト」やデジタル技術を活用した、行動変容介入の取り組みが行われています。本稿では、こうした行動変容介入のトレンドをご紹介します。

人の特性を活かす行動インサイト

「人は必ずしも合理的・論理的な意思決定をするとは限らない」といわれています。自分にとって都合の良い情報を無意識に集めてしまう「確証バイアス」や、変化や未知のものはできるだけ避けようとする「現状維持バイアス」など、人には考え方の癖や特性があるからです。
人が自発的によりよい行動を選択できるように働きかけをする「ナッジ」は、行動インサイトに基づく手法のひとつです。健康診断の受診率向上、省エネや混雑緩和など、人や社会にとってより望ましい行動を「つい」選ぶような働きかけをします。

デジタル化で加速するパーソナライズ

人は、行動を変えるまでに、「無関心期」⇒「関心期」⇒「準備期」⇒「実行期」⇒「維持期」という5つのステージを通ると考えられています。行動変容を促す場合、対象者が現在どのステージにいるかを把握し、そのステージに合わせた介入が有効です。加えて、対象者のパーソナリティや嗜好などに合わせた介入を行うことにより、それぞれの対象者は、負担なく、自発的に、行動変容を起こすことができます。
例えば、環境省を事務局とする日本版ナッジ・ユニットBEST(BEhavioral Science Team)は、IoT技術を用いて個人の行動ログなどの情報を収集、分析して、個別化したコミュニケーションをとる手法をBI-TECH(Behavioral Insights × TECHnology)として提唱し、環境問題の解決に導入しています1
近年は、デジタル技術を活用することにより、行動変容を促したい対象者の状況や特性を理解するための情報を取得しやすくなり、パーソナライズが容易になりました。

人間中心設計アプローチとの組み合わせで人を深く理解する

一方で、人の特性はセンシングできるものばかりではありません。「価値観」のように、行動観察やインタビューなどの定性調査を行い、それを分析することで知ることができるものもあります。私たちは、人間中心設計の考え方に基づいてユーザーの定性調査を行うとともに、デジタル技術を活用して得られるデータと併せてモデリングを行います。このようなプロセスでユーザー体験をデザインし、アプローチすることが有効だと考えています。
さらに、働きかけの結果、どのように行動が変容したかというフィードバックのデータを取得・分析し、どの時点に立ち返って改善すべきかを検討する、人間中心設計プロセスに沿った取り組みをしていくことが重要だと考えています。

デジタル行動変容に向けたエクスペリエンス・データデザイン

デジタル技術を活用した行動変容介入では、データの活用と定性調査の両輪で取り組み、パーソナライズした働きかけをすることが可能です。
ココロミルラボでは、このようなAIやデータサイエンスと人間中心設計の視点からパーソナライズした取り組みを「エクスペリエンス・データデザイン」と名付け、ご支援しています。

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三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
コンサルティング事業本部

ココロミルラボ
副室長
黒田 由加

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