「インド」という11億人の巨大市場に注目が集まっている。年率10パーセント近い経済成長が今後も続くと予想され、その巨大マス（大衆）マーケットの魅力は増すばかりだ。この「宝の山」に分け入ろうと、各国企業の動きがますます活発化している。インド中産階級の生活業態は「エンジョイ型」の文化圏に突入し、日々の暮らしを便利で楽しいものしてくれる財やサービスへの需要が旺盛化している。消費市場が量的発展段階から質的発展段階へと成熟する時期もそう遠くない。しかし、わが国企業は欧米諸国や韓国の競争相手に大きく水を開けられた状態にある。日本企業の巻き返しは果たして可能なのだろうか。本論では、①現代インドの消費市場概観、②携帯デバイス市場の覇者ノキアと家電業界の雄LG電子のKFS１（成功要因）分析、③「顧客の感じる価値」概念による日本企業の競争力考察、④外部環境変化に起因する新規参入機会の増大、に言及したうえで、インド市場参入を目指す企業にとっての留意点をいくつか示唆してみたい。

インド・ビジネス大逆転の好機

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