日本企業はグローバルスタンダードをいかに取り込み発展するか ISO、J-SOX法

2008/07/01 松田 理恵
ISO
J-SOX

グローバル社会に突入した今日だからこそ、日本企業は激しい環境変化に対応するために戦略リスクを見極めなければならない。そのための一つの手段として、本稿ではマネジメント・ツールを事業の継続のための経営にうまく取り込むことを提案する。
ISOやJ-SOX法などに代表されるように欧米諸国が中心となって決定したマネジメントシステム・ツールが複数存在している。しかしながら、グローバルスタンダードへの動きは多くの企業にとってコストアップ要因や面倒で付加的な作業と捉えられがちである。あれもこれもと取り組んでしまったために本来の目的を忘れてしまう企業さえある。
では、このような失敗を避け日本企業がグローバルスタンダードを取り込み発展するにはどのようにするべきなのだろうか。それは画一的なシステムを導入するのではなく、個々の企業の規模や成長段階、余裕資源にあわせた対応が重要となる。具体的には①統制環境の整備、②戦略リスクを含むリスクの抽出・評価と対応、③適切な経営指標の設定、④経営指標をPDCAサイクルでモニタリングする、の4点である。これら4点について企業規模などにあわせたあるべき姿、既存のマネジメント・ツールの活用や実際の活用事例を紹介している。
従来のように個別のマネジメントシステムをばらばらに実行しているだけでは経営目標を達成することができない。日本企業は全社的な統制環境を整備し足腰を固め、戦略リスクを洗い出し、その上でマイナス面とプラス面を織り込んだ目標項目についてPDCAを回していくことが今後ますます求められるだろう。

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